総務省の予算に見る電子政府の課題、まずは相手のことを考える

平成19年度総務省所管予算(案)の概要(PDF)が公表されています。行政改革の推進、新分権改革の推進、郵政事業改革の推進、国民の安心・安全の確保の各種施策などと並んで、「電子政府・電子自治体の推進」があり、その予算は55億円なり。また、これとは別に「u-Japan政策」関連で「電子政府の推進」として約14億円が計上されています。

電子政府・電子自治体関連で、およそ70億円といったところ。

総務省全体の予算(16兆1,845億円)からすると少ないように見えますが、地方交付税・地方特例交付金、恩給、選挙関係経費・基地交付金関連を差し引いた予算は約2000億円ですから、金額も割合も少なくはありません。

「電子政府・電子自治体の推進(55億円)」の内容は、次の通りです。

※単位は億円。( )の数字は前年度の金額。

1 推進体制の充実・強化 0.7( 0.4)
2 利用者視点に立ったオンライン利用促進 30.6( 32.5)
3 全体最適を目指した業務・システム最適化 20.6( 24.6)
4 電子自治体構築の促進 0.8( 6.2)
5 住民基本台ネットワークシステムに係るセキュリティ対策の推進 0.1( 0.2)
6 公的個人認証サービスの普及及びオンライン利用促進方策に 関する調査検討 1.3( 3.0)
7 地方選挙における電磁的記録式投票の導入支援 0.6( 0.7)

「u-Japan政策」関連の「電子政府の推進」も含めた場合、関連するシステム(情報通信システム、業務システム、オンラインサービス等)は次の通りです。

・電子政府の総合窓口(e-Gov)
・政府認証基盤(GPKI)
・統計調査等業務システム
・地方公共団体に対する調査・照会業務システム
・政府調達手続における電子契約システム
・文書管理業務システム
・職員等利用者認証業務システム
・住民基本台ネットワークシステム
・公的個人認証サービス
・電子投票システム
・電気通信行政情報システム
・総合無線局監理システム(電子申請機能を含む)

これらから電子政府が抱える課題は何かと考えると、

1 電子政府に関連するインフラの利用が進まない

   本当に必要なインフラは何?

2 電子申請サービスの利用が進まない

   国民が望む「サービス」は何?

3 システムの共同利用は、これからという段階

   コスト削減だけでなく、縦割りを解消するためには?

4 新たな業務システムの構築・改訂にお金がかかる

   システム構築の前に、業務の見直し(要件・機能の簡素化)を!

といったところでしょうか。

こうした課題は、「自分のこと」ではなく、「相手のこと」を第一に考えた時に、解決の道が開けることでしょう。

自分とは誰なのか、相手とは誰のことなのか。まずは、そこから考えたいものです

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“総務省の予算に見る電子政府の課題、まずは相手のことを考える” に1件のコメントがあります

  1. u-Japan
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