夕張市財政再建計画の同意
総務省から「夕張市財政再建計画の同意」が公表されています。約20年間の長期計画ですが、内容はかなり厳しいもので、住民と行政の協働が求められますね。
・全国の市町村の中で最も低い給与水準へ(最大で年収約4割減)
・人口規模が同程度の市町村で最も少ない職員数の水準へ(18年度269人→22年度103人)
・市長給料86.2→25.9万円/月、特別職の退職手当は当面支給せず
・議員定数18→9人
・171床の病院→19床の公設民営の診療所(40床の老人保健施設を併設)
などなど。他の自治体も、他人事ではなく、「こうなる前に手を打たないといけない」ことを学びたいところ。
作者が住む川崎市(神奈川県)も、2000年頃には「倒産するかも」と言われていて、「川崎市行財政改革プラン(2002年)」などで、少しずつ改善しているわけですが、回復しつつある現在こそ、無駄遣いの無いように市民がしっかり監視しないといけないのですね。
企業会計的手法による川崎市の財政状況(平成17年度版)によると、
市有財産現在高(平成18年9月末日現在)
総 額 3兆 1,639億3,723万円
市民1人あたり 235万7千円
市債現在高(平成18年9月末日現在)
総 額 9,195億6,736万円
市民1人あたり 68万5千円
これに一時借入金の55億円を加えると、市民一人当たりの借金は、だいたい70万円ぐらい。235万7千円(財産):70万円(借金)ということになる。
このように財政全体を見ると、それほど悪くないのだが、個別に見ると、まだまだ無駄な投資や非効率な業務が多く存在し、その一方で無理な緊縮もあり、配分や割当に課題があると作者は理解しています。
夕張市の財政問題を機会に、自身が住んでいる自治体の財政状況をホームページで確認し、
・情報公開されているか
・市民が理解できるよう工夫されているか
・対策などが、責任者や期限を決めて提示されているか
チェックしてみると良いでしょう。どれか一つでも不十分な場合は、数字的には問題が無くても、財政破綻の可能性ありと理解して良いかもしれません。。
関連>>川崎市財政比較分析表(PDF:平成16年度決算 総務省より)|全国自治体マップ検索|平成19 年版「地方財政の状況」の概要(PDF)
夕張市で生活する人は、今回の再建を「成長の機会」と捉えて欲しいですね。
「断食」すると、それまで好き勝手でバラバラに活動してきた体の各器官が、一致団結して働き、体が本来持っている機能が正常に動き出します。
これと同じような効果を、夕張市にも期待するわけです。
道のりは険しいですが、明るさと楽しさを失わずに、地道に少しずつ進んでいくことを祈ります。