マナブー今週の注目記事(2007/4/20)

●「情報システムの信頼性向上のための取引慣行・契約に関する研究会」最終報告書”~情報システム・モデル取引・契約書~”の公表について(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/press/20070413002/20070413002.html
 日本は良くも悪くも「契約書」については後進国と思いますので、現状を踏まえた「取引・契約モデル」の提示はありがたいですね。
 ただし、プロジェクトが計画通りには行かないように、立派な「契約書」があれば安心というわけではありません。その意味では、今後の検討課題として挙げられている「ADR(裁判外紛争処理)の活用」なども大切です。
 「契約書」は、あくまでも情報システムの構築・運用を支援する存在であることを忘れないようにして、「法律家の自己満足」とならないように注意しましょう。
関連>>「情報システムの信頼性向上に関する評価指標(試行版)」公表について(経済産業省)医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第2版(厚生労働省)

 

●世界最先端の電子行政の実現に向けた提言(日本経団連)
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2007/031.html
 個人のID管理は難しそうですが、企業のID管理は実現して欲しいですね。電子政府の評価については、まだ始まったばかりなので、PDCAを回していく中で、少しずつ実効性を強化するのが良いでしょう。
 「利用者が自己に関する行政情報を管理・利活用できる電子行政」は、日本の電子政府でも個人サービス(カスタマイズ、ワンtoワン、セルフサービス等)が本格化していくことを予感させますね。

 

●Yahoo!公金支払い
http://koukin.yahoo.co.jp/
 「遂に出てきたなあ」という感じのクレジット決済による公金支払サービス。
 公金(国民年金、自動車税、申請手数料等)のオンライン決済は、既にペイジーで可能となっており作者も重宝していますが、オンラインバンキングを利用していないと(実質的には)使えないのが難点です。
 これに対して、普段使い慣れているからYahoo!からクレジットカードで決済できるサービスとなると、オンラインショッピングをする感覚で公金支払できるわけですから、間口が一気に広がりますね。しかもポイントまで溜まるとは。。
 給食費などもそうですが、「国民が支払いやすくなる仕組み」を行政の側で真剣に考える時代になりました。電子申請も「利用しやすくなる工夫」を考えましょう。
関連>>地方自治法の一部を改正する法律の概要(PDF)財務省:平成19年度税制改正(国税のコンビニ納付)  |公金分野におけるクレジットカード決済の導入について(PDF)

 

●日本型マネジメントの本質–欧米の真似では失敗,日本的PMの姿をつかめ(ITpro)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070406/267598/?ST=bizskill&P=1
 電子政府・電子自治体でも、プロジェクトマネジャーを始めとした人材不足が課題となっています。記事の中で図表になっている、日本のトップ・プロジェクトマネジャーが備える「システム関連スキル」と「ビジネス・スキル」は、電子政府でも必要とされるものばかりですね。

 

●ワンクリック詐欺に勝った桜井光政弁護士が教える「賢い法律の使い方、備え方」(デジタルARENA)
http://arena.nikkeibp.co.jp/col/20070404/121497/
 法律は使い方次第で、弱者を守ることもできるし、反対に弱者を攻撃する道具にもなります。しかし、「何も知らない、知ろうとしない」では、自分(や家族・友人等)を守ることができません。
 電子政府も、使い方次第で、自分の権利を行使したり守ったりするのに役立ちますが、「何も知らない、知ろうとしない」では、やはり役に立ちません。
 先日、宿泊したホテルで非常に不快な思いをして、これまでも同様の被害者が泣き寝入りしていたと思われたので、県警や自治体ホームページ経由で苦情を申し立てました。その結果、警察や自治体からホテルに対して行政指導があり、ホテル側が行った事後措置についても写真付きで報告を頂きました。電子政府・電子自治体が無かったら、作者も泣き寝入りしていたことでしょう。
関連>>電子契約法(三重県消費生活センター)

 

●原理を学ぶ—通信相手を確認する四つの手法,安全性に大きな違い:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/lecture/20070412/268143/?ST=lecture&P=1
 いわゆる「ID・パスワード方式」にも、平文認証、チャレンジ・レスポンス、ワンタイム・パスワードなどがあり、ディジタル署名(電子証明書)を使った認証との組み合わせも可能です。
 電子政府では、「電子署名」か「ID・パスワード」かといった議論になりがちですが、利用者の負担を最小限にしつつ、一定の安全性を確保する努力が必要ですね。

 

●欧米カルテル制裁が日本企業の脅威に(NBonline) http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070412/122584/
 以前は「談合は当たり前」だったのが、「談合は必要悪」、「談合は割に合わない」と変遷する中で、たどり着くのは「談合で企業解体」と。対応を遅らせれば遅らせるほど、談合による被害は深刻になることでしょう。
関連>>電子入札の推進(調達制度の改革と、具体的な効果指標の設定を)防衛施設庁の入札談合問題から学ぶ、電子化の前にすること電子申請で偽造や不正を防止しよう