電子政府と哲学の関係
大学の現場で、「哲学」の軽視が進んでいるようです。
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これは、大変に困った傾向です。
なぜなら、哲学を本格的に学んだことが無い作者でも、電子政府について学べば学ぶほど、「哲学」の役割と重要性に気づかされるからです。
哲学のない電子政府は長続きしません。
電子政府の基礎になるのは、人との信頼関係であったり、意識改革だったりします。
確固たる信念を持ちながらも、柔軟で論理的な思考が必要となります。
それらを支えるのは、哲学であると言って良いでしょう。
「電子自治体のベストプラクティスを活用するには」でも触れましたが、成功事例には、それを支える「哲学・思想」があります。
成功事例から学び、実際に導入するには、成功を支える「哲学・思想」を理解し共感することが大切です。
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実際、哲学に関連する用語を見るだけでも、「より良い電子政府・電子申請」を実現するためのヒントを得ることができます。
・中庸
極端な考え方は、電子政府に馴染まないことが多いですね。
例えば、「トップダウンか、ボトムアップか」といった二者択一的な考え方ではなく、その場や状況に応じた手法を選び、状況の変化に合わせて調整することが求められます。
要所要所で、「電子政府って何だろう」と再考するのは、とても大切なことです。
電子自治体の共同利用に参加することで安心してしまったり、新しいシステムを作ることが目的になってしまった時は、電子政府の本質を再考し、定義付けや概念化をしてみましょう。
電子政府は、日々の細かな「変化」が積み重なることで実現されていきます。
様々な要素における「変化」が、相互に連携・作用しながら、電子政府を形作っていきます。
嬉しい変化ばかりとは限りません。失敗や後退を繰り返しながら、少しずつ発展していきます。
そこで大切になるのが、
・自身の変化を恐れないこと
・周囲の変化に気を配ること
変化を恐れず、変化に逆らわず、変化を味方につけることで、「より良い電子政府・電子申請」に近づくことができるでしょう。
電子政府は、これまでのやり方を全て否定するものではありません。
不要な対立は、電子政府の発展を阻害するので避けた方が良いのです。
また、電子政府の施策でも、「失敗」=「廃止」という短絡的な思考ではなく、良い部分を残して他の施策と統合するといった柔軟な対応が求められます。
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この他にも、
・内観(内省)
・全体と部分
・対立物の相互浸透
・戦略と戦術
などが参考になりますね。
関心のある方は、意味を調べて考えて感じてみてください
関連(英語)>>Philosophical Dictionary|Stanford Encyclopedia of Philosophy