平成18年度電子商取引に関する市場調査:阻害要因は電子政府と同じ?
経済産業省から「平成18年度電子商取引に関する市場調査」報告書が公表されています。インターネットを活用するという点では、電子政府も電子商取引も同じ。なので、電子商取引における課題や取組みを見ると、電子政府の改善方法も見えてきます。
例えば、外航海運業におけるEC(もしくはEDI)では、
・北米の荷主はANSIの標準フォーマットに例外なく準拠
・欧州の荷主はUN/EDIFACTの標準フォーマットに例外なく準拠
・日本の特に大手荷主は、自社独自のフォーマットへの対応を要求することが多い
こうした状況から、「業界を超えたEDI標準化」の必要性が指摘されています。
電子政府でも、
・多くの役所が、独自のフォーマットへの対応を要求する
行政のやり方を押し付けるので、国民や企業の負担が大きい。
・役所のデータや業務の標準化が進んでいない
情報システムの開発や運用に多大なコストがかかる。官民連携どころか、同じ役所(建物)内の連携サービスさえできない。
といった状況があります。
電子政府におけるデータや業務の標準化については、昔から言われていることですが、一向に進みませんでした。
行政やベンダーも推進したい気持ちがある一方で、推進したくない(既得権益を守りたい)行政やベンダーも、まだまだ多いのですね。
先日公開された「重点計画-2007(案)」でも、
『国と地方公共団体の情報システムのデータ標準化について、2007年度末までに、標準化の方向性について結論を得る。』
となっており、これでは何年かかっても標準化は実現できないでしょう。
少なくとも、
・自治体業務とデータの標準化、国と地方公共団体の情報システムのデータ標準化について、2010年までに完了する。
・2007年度までにアクションプラン(行動計画)を策定する。
と目標を掲げる必要があるでしょう。
標準化の動向については、実現の可能性も見えてきたので、機会があれば詳しく整理したいと思います。
関連>>データ標準化推進地方公共団体協議会|地域情報プラットフォーム|参照モデル(総務省標準第一版)
電子政府・電子申請サービスは、「電子政府オタク」では実現できません。
電子商取引を初めとした様々な民間サービスに触れることで、優れたアイデアや工夫が生まれるのです。