米国のオンライン企業検索サービス、日本は癒着構造の見直しを
以前、「オーストラリアの企業検索サービス、日本でも無料開放を」でオーストラリアのオンライン企業検索サービス(無料)を紹介しましたが、今回は米国の企業検索サービスを紹介しておきましょう。もちろん、無料です。
日本では、法人の登記情報については、法務省の外郭団体が独占しています(インターネット登記情報提供サービス)が、海外では、企業の登記・登録情報については、インターネット上で無料検索できるのが当たり前です。そして、「より詳しい情報や紙の登記簿謄本が欲しい方は、有料で」となっています。
日本でも、早く無料サービス化するべきですね。
社会保険庁の例に見るように、電子政府では、外郭団体やベンダーとの癒着が存在するため、国民に提供する行政サービスの品質が向上しないことがあります。
法務省の登記情報提供サービスについても、遅かれ早かれ改善を余儀なくされると思いますが、できれば自ら改めて膿(うみ)を全部出してしまうのが得策と言えるでしょう
さて、米国の法人登記は各州ごとに行われており、州務長官(Secretary of State)の所管となっています。
まずは、State and Local Government on the Net(米国の自治体ポータル)から、州務長官サイトの一覧にアクセス。
そこから、カルフォルニア州の州務長官サイトへ行ってみましょう。現在の州務長官は、DEBRA BOWEN氏(女性)。
次に、中央付近にあるビジネスポータル(Business Portal)をクリック。
すると、左下の方にカルフォルニアの企業検索(California Business Search)というのがあります。
使い方は、いたって簡単。名前の一部を入力して、サーチボタンを押すだけ。
とりあえず、「toyota」で検索してみると、結果が一覧で表示されます。
内容は、
Corp Number:法人番号
Date Filed:登録日
Status:状態(活動中、保留、解散、吸収・合併など)
Corporation Name:法人名(商号)
Agent for Service of Process:手続代理人(日本で言えば司法書士)
さらに、該当する法人名をクリックすると、法人と手続代理人の住所も表示されます。
このようなサービスが、24時間いつでも誰でも利用できるのに対して、
日本では、
・有料サービスのみ
・利用時間は、平日の「午前8時30分から午後7時まで」
・運営主体は、法務省の外郭団体のみ(独占)
となっているのですから、何ともわかりやすい。
法務省:天下り先を確保できる。
外郭団体:業務はベンダーに丸投げで、楽して収益確保。競争も無し。
ベンダー:親方日の丸で安泰。民間サービスのような厳しい要件・要求もない。
といった構図が容易に想像できるわけです。
企業の検索サービスは、電子政府のビジネス向けサービスとしては、基本中の基本です。
現在のような状態や利権構造が改められない限り、「企業にとって使いやすい電子政府サービス」なんて実現できるはずもありません。
法務省さん、マスコミや政治家、そして国民に叩かれる前に、改善した方が良いですよ
同感
タイフーンも過ぎ去って・・・・・
>法務省さん、マスコミや政治家、そして国民に叩かれる前に、改善した方が良いですよ
全くその通りです。
法人の検索ですが、インターネット登記情報提供サービスとは違ったところで、一部利用できたりするのです。無償です。
法人の登記事項証明書交付申請でオンラインにて手続する場合、前段でその法人が存在するかどうかのチェック、検索は可能としています。この目的で利用するのではないのですが、オンライン登記事項証明書交付手続にて行えるということですね。検索チェックまでなら「無償」です。
法人名と本店所在地の二項目は検索で照会できます。代表者名、目的などは対象外です。
こちらで検索で全部の事項を表示させるべきだと思う。こうした使い方検索照会のみでもできるようにもすべきだと思う。
このあたり、今後提案要望したいですね。
実務家ならでは
iemoriさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
なるほど。そういう手がありましたか。
オンライン申請システムは、各種データベース等と連携しているので、検索・照会に使える場合があるのですね。
「検索で全部の事項を表示させるべきだと思う。こうした使い方検索照会のみでもできるようにもすべきだと思う。」
これ、良いですね。賛成です。今度は、止まらないように。。