電子政府で「天下り規制」を考える、公務員の幸せのかたち
参院選挙が終わりましたが、議論すべき政策については曖昧なまま。。といった印象があります。電子政府では様々な情報が提供されていますので、日本政府の政策をチェックしてみましょう。
今回は、「天下り規制」などが話題の「公務員制度の改革」についてです。
●「電子政府」も「天下り規制」も「行政改革」の一つ
作者は、講演などで「電子申請は、コンピュータの話ではなくて、行政手続の話です。」と言っています。
電子政府も同様で、コンピュータの話ではなくて、行政改革の話なのです。
仕事のやり方や人々(職員、国民、ベンダー)の意識を変えていく際に、どのようにコンピュータやインターネットを活用するのが良いでしょうか。ということです。
行政改革の推進体制(行政改革推進本部事務局)を見てみましょう。
重点分野等の分類はありますが、「電子政府・電子自治体」が「公務員制度の改革」と同列に挙げられています。
●「天下り規制」もPDCAサイクルで
さて、「天下り規制」は、「公務員制度の改革」だけでなく、「特殊法人等改革」や「公益法人の改革」を同時に進める必要があります。
現在、政府が考えている「天下り規制」は、国家公務員法等改正法の概要(PDF)で理解できます。
この中で、「再就職に関する規制の改正等」として、次のような施策が提案されています。
1 再就職あっせんの規制及び官民人材交流センターの設置
2 現職職員の求職活動規制
3 退職職員の働きかけ規制
4 働きかけを受けた現職職員の規制
5 違反行為の懲戒・過料、不正行為等の刑罰
6 再就職情報の内閣での一元管理
7 事前承認制度の暫定的存続と廃止
8 監視体制の整備
これでは実効性が無いといった意見もありますが、作者は、当面これで十分と思います。
(存在しない)完全を求めて何もしないよりは、少しずつでも前に進むことが大切だからです。
電子政府でも取り上げられている、「PDCAサイクル」という考え方があります。計画、実行、評価、改善を繰り返しながら、少しずつ良くしていきましょう。というものです。
「天下り規制」も同様で、関連する行政改革と並行して進めながら、少しずつ行政職員や国民の意識を変えていくことが、遠回りのようで実は一番の近道と思います。
●天下りを続ける公務員は、本当に幸せなのか
天下りに関するニュース等を見ると、この人たちは、どれぐらいの幸福を感じているのだろう。と思うことがあります。
マーケティングのデータ等を見ると、年収と幸福度・満足感は、1千万ぐらいまでは比例するようです。
年収が多ければ多いほど、幸福度・満足感は高いということです。
幸福の要素は、幸運(ラッキー)+裕福(リッチ)+人徳(ハート)などと言われますが、やはり「お金」は大切なのですね。
ところが、数千万円を超えてくると、幸福度・満足感の大きさは、さほど変わらなくなってくると。
そう考えると、役員クラスの天下りをする人は、公務員時代に厳しい出世競争に勝ち、周囲からは「天下り役員」と陰口を叩かれ、これで自分の子供たちから「オヤジ、サイテー!」とか思われてたら、とても幸せとは言えないような
ちなみに、「富裕層」と言われる人の年収は、少なくとも3,500万円から5,000万円以上で、人口の1%に満たないそうです。
特殊法人の常勤役員クラスで、年間報酬が1,500万円から2,300万円ぐらいですから、他に収入源が無ければ「富裕層」ではないのですね。
参考>>マーケティング用語集 富裕層|マーケティング用語集 新中流層|特殊法人等の役職員の給与等の水準(平成18年度)
ですから、「天下り」はダメだダメだと言うだけでなく、「お金」以外の幸福の要素を、頑張っている公務員の人たちが感じられるよう、公務員の仕事や人事を変えていくことが大切なんじゃないかなあ。と思うわけでございます
うーん、言うは易しですが、実現するのは大変だわ