使えない電子申請システムは、業務を妨害する
@IT情報マネジメントに「不良システムを作らないプロジェクトの枠組み」が掲載されており、この中に「不良システムは業務を妨害する」という表現があります。これは、電子政府・電子申請でも同様です。
そもそも、「役所の手続き」はビジネス等を行う上で、やっかいな存在でした。ですから、税理士、司法書士、行政書士といった「士業」といわれる専門家が必要だったのです。
政府は、電子政府・電子申請サービスを、BtoG(企業から政府へ),CtoG(市民から政府へ)ぐらいにしか考えていないのですが、実際は、CtoBtoBtoGtoBtoCというように、もっと複雑な流れになっています。
そのため、BtoGやCtoGの部分だけ電子化・オンライン化して、しかも他の部分との連携に配慮していないと、電子政府・電子申請がお荷物となって、業務を妨害してしまうのです。
電子政府・電子申請サービスの質を向上し、実際に使ってもらうためには、
1 「自分さえ良ければ」といった考えは捨てて
2 周囲の組織や人に対して何ができるのか
3 社会全体の仕組みの中で、自分たちが求められている役割は何であるのか
といった考えを身に付けて、実践していくことが必要となります。
せっかくお金と時間をかけて作るのですから、多くの人に喜ばれる電子政府・電子申請を作りましょう。