自動車保有関係手続のワンストップサービス:購入者の電子署名が不要に
総務省と国土交通省から、自動車保有関係手続のワンストップサービスの変更案内が出ています。その内容は、申請者本人(自動車の購入者)の電子署名が不要というものです。
関連>>印鑑証明書でもワンストップサービスが利用可能となります(総務省)|国土交通省の発表
新車を購入する時は、ディーラーさんに「ワンストップサービスの電子申請にして、手続費用を安くしてください。」とお願いするようにしましょう。平均で7000円ぐらいは安くなるはずです。
今回の変更案内は、
・自動車保有関係手続ワンストップサービス(OSS)の利用促進策として
・11月26日より紙の印鑑証明書等を活用した申請を可能とする
・住基カード、商業登記電子証明書、電子署名、電子委任状などは不要
・印鑑証明書と委任状の本通を運輸支局に提出する
・電子署名がなされた電子委任状の無い申請データを受付ける(代理人の電子署名は必要)
・行政書士、社団法人日本自動車販売協会連合会による代理申請を対象とする
・新車の購入者は、これまでと同じ作業をすれば良い(書類や実印等を用意)
既に他のコメントで情報提供があったように、行政書士が関与することは困難なため、実質的には「日本自動車販売協会連合会」等の外郭団体による独占利用となりそうですね。
なお、日本自動車販売協会連合会(自販連)とは、自動車ディーラーによる全国組織で、「登録業務代行センター」なども運営しています。
関連>>自販連のホームページ|自動車相談 Q&A:諸費用について|社団法人 全国自動車標板協議会
今回の利用推進策は、「政府が利用を推奨してきた住基カード(公的個人認証サービス)や商業登記電子証明書を否定する」側面があります。
これで、「自動車保有関係手続ワンストップサービス」の利用が格段に増加すれば、「あー、やっぱり電子署名が障害だったんだなあ」となってしまうからです。
なお、ポータルサイトを経由しないでオンライン申請する方法は、既に電子申告(国税、地方税)などでも見られる手法です。
申請システムの仕様等(特にデータ受付や電子署名に関して)が公開されていれば、申請データを行政の受付サーバにダイレクトに送付できるからです。
ビジネスとして手続を代理・代行する業者にとっては、わざわざ行政のホームページに行ってデータ入力するより、日々の業務で利用するシステムを使ってオンライン申請できる方が助かります。
行政書士がOSSを利用したい場合は、行政書士向けの業務ソフトウェアを開発・販売するベンダーにお願いして、「自動車ワンストップ申請ソフト」を作ってもらえば良いでしょう。後は、そのソフトを各行政書士会員が購入orレンタルして使えば良いと。
オンライン利用件数・利用率の増加については、
・販売店と代理人(自販連等)のやり取りが電子化している割合
・紙申請における自販連等の関与率
・自販連等(登録業務代行センター)におけるオンライン申請対応率
・全国におけるOSSの稼働率
などに拠りましょう。上記の数字を作者は把握していないのですが、どれだけ利用率がアップするか楽しみですね。
前進は前進です
次の点、
>・電子署名がなされた電子委任状の無い申請データを受付ける(代理人の電子署名は必要)
代理人たる行政書士による電子署名を今回初めて認めたわけです。行政書士用電子証明書を認めたのは、大きな前進です。
現行のOSSポータルサイトでは、未だ認めていないので、この表玄関のポータルサイトで代理人として行政書士を認めるように今後とも強く訴えていきたい。
ただなぁ、、、会内から声が上がっている。
「仕事が回ってこない、仕事のない手続に電子証明書を認めて貰ってもなぁ・・」と情けない声も多いので、困ったもんだ。
利用者がいないことには
イエモリさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
本来は、OSSポータルサイトで利用できる電子証明書を増やすべきと思います。
利用者は、自身の環境に応じて、OSSポータルサイトを使ったり、業務用ソフトを使ったりと、選択できるようにするべきですね。
自動車手続関連の業務を続けたい行政書士が多ければ、47都道府県の単位会で10-20万円ずつぐらいでも出し合って一括購入(開発依頼)し、会員に転売すれば良いと思いますが、
行政書士会員にOSSを利用する意志が無いと、それも難しいので、結果として行政書士業務から消えていくのでしょうね。南無~
行政書士実務が・・・・・
むたさんの、
>行政書士会員にOSSを利用する意志が無いと、それも難しいので、結果として行政書士業務から消えていくのでしょうね。南無~
確かになぁ、、、、消えゆくことになる。平成21年頃には、中古車の移転登録などもOSS利用となる。ここでも対応できずで、・・・・
その昔、小渕首相当時にバーチャルエージェンシー構想をブチ上げたのが懐かしい。エージェンシーとは「代理」という概念があったのだな。
「勝手口」手続については、一般の行政書士への情報が一切入らないので、余計にこの業務はじり貧になりますね。断言。
勝手口は順調でしょうか?
勝手口オンラインは、開始後順調に出てるようですか?
まだ最初の週ですからねえ。来月入ったら成果が見えてきますね。
成果は
sagoさん、イエモリさん
コメントありがとうございます。
国土交通省では、毎月の利用件数を計上しているので、確かに来月には成果がわかりそうですね。
公式な発表は当分先と思いますが、直接担当者に問い合わせれば、教えてくれるかもしれません。
私の方でも、何か情報が入りましたらお知らせします。
バックオフィスは電子化済み
sagoさんの、
>勝手口オンラインは、開始後順調に出てるようですか?
も、順調もなにも、、、、
新車購入者については、全てOSS勝手口にて手続していることだと思いますよ。もちろん、今年度現在の対象地域の販売店ですが。(10都道府県)
購入者は、OSSの利用かどうかさえ解らないのですね。この方式。
なお、メーカーからの譲渡証や最終検査終了証などはほぼ電子化は完了していますから、販売店側には勝手口手続につきスムースに利活用していると思われます。
いわゆる文句がでるところがない。
手打ちができたとか
すんません。こっちに書くべきところじゃないが、日司連と日行連のトップレベルで、商業登記開放が決着したと。
要するに組織として、日行連が商業登記開放をいうことはない。代わりに日司連は、行政書士代理権の国会成立をじゃましない。
でね、どうもその条件に、今の会則改正全会実現があるとか。なんでやねん、と思いますが。
そんな政治ごとに会員巻き込んでなにやってるのですかね。
で 否決したところにも、これを理由に再度可決のお願いにいくのだそうです。
地に落ちた組織ですね。日司連。
同じ穴の狢どもですね
sagoさんの、
>地に落ちた組織ですね。日司連
日行連も同じ穴の・・・・ だと思いますよ。
OSS利用で「手数料」が減額になっているか?
OSS手続することで、販売店に支払う手数料が平均7000円前後低減されるとの話がありますが。。。。
今回のOSS勝手口手続することでは、その低減は全く関係ないことになりそうです。現行通りの金額を徴収されるでしょうね。
全銀協も登記参入
もういいですね、こういう組織に身をおいても、って強制入会だからしかたないけど。
この際 全銀協もお客さんのサービスのために登記をやったらいいでしょう。
いいアイデア出るかもしれませんね。電子債権と絡めたソリューションに期待です。
国民の実感指標
sagoさん、イエモリさん
コメントありがとうございます。
自動車販売側のバックオフィスが全て電子化済みなら、利用率は上がりそうですね。登記情報の交換システムと同じように。。
ただし、国民の実感指標については、
・手数料の減額
・手続や納車の迅速化
などが無いと、評価が低くなります。
ともあれ、利用状況の公表が待たれるところです。
勝手口OSS利用件数
初めまして!
OSSについて検索していましたら、このブログに遭遇しました。お邪魔します。。。
「勝手口」って、所謂「ハイブリッドOSS」のことですよね?
昨年のこの手法での申請件数は全国で「14件」ときいていますが。。。
本当に国民の負担軽減の為のシステムなのかどうか。。。今は、本来の目的よりも「とにかく稼働率を!!」と、全く利用者の利便性は無視された政策になってきているいうな。。。。。
このままでは
手抜きたぬきさん、はじめまして。
コメント&情報ありがとうございます。
全国で「14件」ですか。。それは少ないですね。。
「とにかく稼働率を!!」については、全くその通りです。
一部のオンライン申請を除けば、残念ながら、行政側は国民のことなどほとんど考えていません。売上ノルマをクリアするのに必死の営業部員みたいになってますから。。
OSSの利用件数は、国土交通省からの公式発表が待たれますが、ご指摘のような利用件数だと、いよいよ廃止となるかもしれませんね。
利用件数 OSS
平成18年度の利用件数が8109件でした。
手元にある資料では、平成20年1月末現在のOSS利用件数でその累計が17182件となっています。
残念ながら、ポータルサイトの直接利用件数といわゆる紙併用(勝手口のこと)での利用件数とが区分けしてのものではない。総数です。
ということで、17件とはあり得ない数字です。
いずれにしろ、国交省は早期にこの利用件数を公開すべきですね。
それにしても少ない
イエモリさん、こんばんは。
最新情報ありがとうございます。
累計が17182件となると、昨年11月に実施された推進策は、今のところ効果があまりないみたいですね。
国土交通省からの発表・報告を踏まえた上で、関係者(利用者)へのヒアリングと申請業務フローの分析が必須と思います。
頑張れ 国交省自動車局
むたさんの、
>累計が17182件となると、昨年11月に実施された推進策は、今のところ効果があまりないみたいですね。
おっしゃるとおりで、全くの効果なし。予想外です。もっと積極的に販売店が動くと思ったが。なにしろ、「勝手口」での手続に莫大な投資をしたしね。
次年度は80パーセントあたりにまで利用率をアップしろ、おい。このままだと天文学的数値、予想値となりそう。
>国土交通省からの発表・報告を踏まえた上で、関係者(利用者)へのヒアリングと申請業務フローの分析が必須と思います。
3月末には公表するでしょうね。表彰制度もりますし。まさか、今年度は申請件数200件程度の販売店を表彰するわけにもいかんだろうし。
OSS厳しいですか
思いの外数字が出てませんが、まあこれからでしょうね。
登記が調子いいように見えますが、法務局の地方移管問題とリンクがされてるようで
http://salon-utamaro.blogspot.com/2008/02/blog-post_07.html
地方分権改革推進委員会の法務省ヒアリングの中で、きちんと数字を出せといわれてますね。
利用率が上がらないことには、法務局が危ないと。
ただ、半ラインでは、職員さんたち大変ですよ。
自動車登録は対象外
出先廃止、地方移譲の対象に自動車登録は入ってないようです。
http://www.cao.go.jp/bunken-kaikaku/iinkai/kaisai/dai33/33shiryou3.pdf
見落としてないですね。それで気合が入らないとか。
持続可能性と危機感と
イエモリさん、sagoさん
こんばんは。コメントありがとうございます。
自動車ワンストップ、無理やり使わせても期待するほどには増えないでしょうし、何より続きませんよね。きちんと「使われない理由」を調査することから始めないと。。
国の地方出先機関の廃止は、電子政府を進める上では良い刺激になるかもしれません。評価委員会でヒアリングしていても、「行政側の危機感の無さ」が際立ってますから。
やはり、一部の人を除けば、国民にとっても行政にとっても「オンライン申請」は「他人事」なんですよね。
今後は、行政側に「自分事」と理解してもらうために、危機感や緊張感を持たせる仕組みが必要となるでしょう。
感謝状の贈呈
>3月末には公表するでしょうね。表彰制度もりますし。まさか、今年度は申請件数200件程度の販売店を表彰するわけにもいかんだろうし。
本日公開の、
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha08/09/090218_2/01.pdf
に感謝状贈呈一覧が載っています。
よかった200件程度じゃなくて、(笑)、700件です。半年で700件、月に14件ですね。
それにしても申請件数がほとんど伸びていない。
1社あたりの年間販売台数
イエモリさん、こんばんは。
最新情報ありがとうございます。
2社ともトヨタ系列ですね。愛知と東京。
700件という数字は、社内の利用率としては、けっこうなものと思います。
GAZOO.comの「国内自動車販売の現状と課題・自販連ディーラー実態調査」によると
http://gazoo.com/NEWS/NewsDetail.aspx?NewsId=714c0341-3c8c-4456-a646-e0c7564aca2b
・2006年度の新車販売台数(含軽)は561万8千台
・1社あたり平均の販売台数は年間3496台
となっています。
今回表彰された2社では、来年あたり利用率数十パーセントぐらいいくかもしれませんね。
しかし、全体の利用率は、かなり厳しい。。
さすが、今年度も1%に満たないとなると、バックオフィス間の連携は残すとしても、フロント部分については廃止とした方が良いでしょうね。
ちなみに利用者アンケートで、「最も効果が期待できないインセンティブ」とされたのが、今回の「感謝状贈呈」でした
普通の値段を教えて下さい
OSS申請代行費用を安くしていまだくようにお願いするようにとありますが、トヨタのプリウスで26250円と見積もりに書いています。これより安くしていただけるのでしょうか?相場が分からないので教えて下さい。
平均で
調査では、代行費用の平均は3万円弱となっています。
ですから、交渉次第で5000円ぐらいは安くなるのではないでしょうか。