社会保険オンラインシステム最適化評価ワーキンググループ:新たな年金システムをチェックする
電子政府評価委員会の中に、『社会保険オンラインシステム最適化評価ワーキンググループ』が設置されました。今までの年金システム(社会保険オンラインシステム)については「年金記録問題検証委員会報告」で一段落したので、それを引き継ぐものとして、新たなシステム構築等について点検・評価を行っていきます。
関連ブログ>>「年金記録問題検証委員会報告」に見る問題の根深さ
「社会保険オンラインシステム」とは、
・全国300を超える社会保険事務所と社会保険業務センターを通信回線で結び
・国民年金、厚生年金保険、健康保険及び船員保険に関する
・適用、保険料徴収、年金裁定及び支払、年金相談等の業務を行う
ためのシステムです。
このうちの「社会保険業務センター」は、
・記録管理システム
・基礎年金番号管理システム
・年金給付システム
を含んでいます。
旧システムの残債が約1050億円以上あり、新システムの構築も初期コストだけで約1150億円かかるという、大規模なシステムです。
さて、WGの主要課題としては、次の3点が挙げられています。
(1)最適化実施プロジェクト体制の点検・評価
(2)システムの設計・開発段階の点検・評価
(3)上記事項に関連して、点検・評価を要する事項
これまでの社会保険庁のITガバナンスを考えると、「業務の最適化や新システムの構築を社会保険庁に任せて良いのか?」を言われるのも仕方ないところ。
関連>>入力ミスは何故起きたか? 検証委報告書の甘すぎる勧告(nikkei BPnet)|年金記録管理システムの変遷図(PDF)
電子政府評価委員会での説明によると、「社会保険オンラインシステム最適化」の責任主体は、これまで通り社会保険庁となるようです。
ですから、主要課題にもあるように、まずは実行力を伴う「最適化実施プロジェクト体制」を整えて、責任範囲や役割分担を明確にすることが大切と思います。
関連>>社会保険オンラインシステムの刷新について(PDF):32ページに「最適化実施プロジェクト体制について」の記述あり|社会保険庁改革|年金業務・組織再生会議
今と昔では、かなり状況が違うので、いわゆる「年金記録問題」のようなことは、まず起こらないと思いますが、国民の関心も高い事案なので、積極的な情報開示とわかりやすい進捗説明が必要ですね。
当ブログでも、新しい情報が入り次第、お知らせしたいと思います。