説明不足の「ねんきん特別便」、運用や財務状況には触れず
社会保険庁が、「ねんきん特別便」の送付を開始しました。わかりやすさに欠ける内容に加えて、肝心の運用状況や支払い体制についての説明がありません。莫大な税金を使って国民一人一人とコンタクトを取るわけですから、その機会を最大限に活用して欲しいものです。
本ブログでも提案してきた国民への通知が始まるのは良いことですが、その内容は、やはり期待以下でした。
作者が提案してきたのは、
社会保険庁が、本当に国民からの信頼を回復したいのであれば、
1 一年に一度、年金加入者に対して郵送(封書)で年金見込み額及び年金加入状況を知らせる。
2 年金財源の運用状況、社会保険庁の組織改革(努力)の状況、今後何十年間の年金支払額等の推移予測グラフなどを、資料として同封する。
という、お金を預かっている立場なら、やって当たり前の基本サービスから始めるべきなのに
といったこと。
関連ブログ>>年金個人情報提供サービス:年金加入状況は郵送で知らせるべき
年金加入(納付)状況についても、単に一覧で示すだけでなく、
・帯グラフなどを用いて見やすくし
・保険料の納付が無い期間があれば注意を促し
・その理由について選択肢を提供して選んでもらい
・わかる範囲で納付期間や勤務先などの情報を書いてもらう
といったことをしないと、「不親切」「わかりにくい」と言われても仕方がないところ。
そもそも、個人宛の「役所からの通知や文書」は、まず「きちんと読まれない」と考える必要があります。
ですから、読んでもらう努力、理解してもらう努力、行動(返信など)してもらう努力を怠ると、ただ「送りました」「役所としての義務は果たしました」となってしまいます。
これでは、今までの社会保険庁となんら変わらぬ体質・考え方です。
今回の「ねんきん特別便」を見る限りは、社会保険庁の改革は、まだまだ不十分と言えましょう。