次世代電子行政サービス、失敗を見ているべきか止めるべきか
次世代電子行政サービス基盤等検討プロジェクトチーム(第2回)議事次第などを見ると、「次世代電子行政サービス」の実現は難しいだろうなと感じてしまう。なぜなら、プロジェクトを成功させるための要件がほとんど揃っていないからである。
次世代電子行政サービスの基本的考え方(案)などを見ても、これはダメだろうなあと。。
電子政府のサービス(プロジェクト)は、「成功の要件」が揃っていなければ、まず間違いなく失敗する。これまでの日本政府のプロジェクトを見てきて、これは確信できる。
作者は、曲がりなりにも電子政府について10年以上は調査・研究しているので、この「成功の要件」を理解している。だから、新たな電子政府のプロジェクトが出てくると、その時点で成功の可能性を判断できてしまう。そして、提案依頼書や基本仕様などが出てくると、「あ、やっぱり失敗か」と確信に至るのである。実証実験や本稼動を見るまでもない。
「次世代電子行政サービス」では、いまだに「ワンストップ」とか「官民ポータル」とか言っている。
しかしながら、これまでも「引越し」や「会社設立」を対象としたワンストップサービスが検討され、実際のサービス提供も行われているが、どちらも成功していない。鳴り物入りでスタートした「自動車保有関係手続のワンストップサービス」も、一向に利用件数は増えていない。
もっとも悪いことは、上に挙げた失敗から何も学んでいないということである。
そんな態度と実力で、次世代電子行政サービスなんて実現できるはずもない。
さて、そこで悩むのが、次世代電子行政サービスに対する作者のスタンスである。
このまま失敗するのを見ているか。それとも、止めるべきなのか。
しかし、「成功の要件」をクリアするのは、生半可なことではない。
政府にその覚悟と実行力があるかどうか。。。それが一番の問題かもしれない。
1兆円
20年かけて築いた登記オンライン情報。投資総額なんと1兆円!それがどの位凄いのかといいますと、一人の人が毎日100万円ずつ使って、何と2700年分です!このことがお分かりですか?費用対効果に目を背けることは、それだけで国民に対する背信行為なのです。だから市町村移譲されようとしているのです。自分たちで効率化に反対して統廃合だけを進めてきたことが、いま自分の首を絞めているのです。
失敗だとはからっきし思っていない
むたさんの、
>もっとも悪いことは、上に挙げた失敗から何も学んでいないということである。
そんな態度と実力で、次世代電子行政サービスなんて実現できるはずもない。
仰せの通りなのですが、、、、。
そもそも運営者側は、これらが「失敗」だと認識をしていないのよね。一部間違いはあったにしても、「成功」したと思い込んでいる節がある。
だから、何度も同じような用語を使用したがるのです。やれ「ワンストップ」だの、やれ「官民連携」だのと。
ところが、このなんとなくの言い回し「次世代」に振り回せれている業界も既にあります。
とほほほの状況はいつまでも続くのかもしれない。
ハイブリッド?
むたさんの、
>しかしながら、これまでも「引越し」や「会社設立」を対象としたワンストップサービスが検討され、実際のサービス提供も行われているが、どちらも成功していない。鳴り物入りでスタートした「自動車保有関係手続のワンストップサービス」も、一向に利用件数は増えていない。
「会社設立」での実証実験が5年前にあった。経済産業省傘下の協会主導である。で、当時の実証実験用のサイト「創業ナビ」
http://www.sogyo-navi.jp
これが亡霊のように蘇っており、意味不明の書き込みがある。当時の運営者はどこへ行ったのやら。
自動車保有関係手続の利用率はもっと期待したが。
「勝手口手続」も設けたのに、この勝手口手続をなんと「ハイブリット」方法とか説明していたらしい。飯米のハイブリット米かと思ったものだ。まぁ、だから私は「勝手口手続」として解説していたのだ。(笑)
ともあれ、現状をどうするのか。一切止めて、新たに構築するのか、ほころびを手直し程度に留めておくのか、今後も議論せざるをえないのかも。
運営者側も認識
イエモリさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
失敗であることは、関係者の話を聞く限りでは、所管官庁や実施団体も認識しているようです。それを、公式に認めることはないですけど。。
「創業ナビ」のドメインは、サービス停止からしばらくして有効期限が切れ、他人に取得されていたと思います。
http://www.sogyo-navi.jp
意味不明の表示は、何年も前からあったかと。
自動車保有関係手続のワンストップは、ハイブリットになっても、ディーラーが紙書類を持って運輸支局に出頭しなければいけないので、利用が増えないのは仕方ないでしょう。
やはり、行政側が提供する一面的な情報だけでは、利用が増えるかどうかの判断はしない方が良いですね。実際の利用者フローを見てみないことには、本当に利便性があるのかわかりませんので。
それこそ「利用者の視点」なんですけど、行政もベンダーも、ほとんど見ようとしないのは、ホントに困ったものです。
電子申請、百聞は一見に如かず、百見は一申請に如かず でございます。