電子政府・電子申請への提言(1):コストに見合った価値や利便性を提供できているか
電子政府評価委員会は、今年度の活動も終わり、近日中に報告書が公表される予定です。それとは別に、昨年末に実施された「電子申請ご意見箱」へ頂いた国民の皆様からのご意見・ご提案についても、担当省庁からの回答が提示されることになっています。こちらの公表は、しばらく先になりそうです。
関連ブログ>>「電子申請ご意見箱」がスタート、電子申請手続に関する苦情・意見・提案を受付けます
今回は、担当省庁からの回答に対する作者からのコメントの一部を、差しさわりのない範囲で「電子政府・電子申請への提言」としてご紹介していきたいと思います。
●利用者視点の定義を
「利用者視点」や「ユーザーの利便性」といった言葉が回答内に使われているが、具体的に何を示しているのかわからない。「利用者視点」と「利用者の利便性」について、明確な定義と具体例を示す必要がある。
★作者からの補足
本ブログでも何度も言っていますが、「利用者が誰なのか」を明確にしないことには、「利用者視点」も「ユーザーの利便性」も明らかにすることはできません。
全ての電子政府・電子申請サービスについて共通して言えるのは、「使うためにはコストがかかる」ということです。どんなに便利なサービスであっても、肉体的・精神的・経済的コストが必ずかかります。
その一方で、全ての電子政府・電子申請サービスが利用者に対して利便性や何らかの価値・リターンを提供してくれるわけではありません。実際には、「はずれ」をつかまされることの方が、圧倒的に多いと考えて良いでしょう。
電子政府・電子申請サービスを使ってもらうためには、コストに見合った価値や利便性を提供することが必要であり、そのことを利用者が直感的に理解できる必要があります。
日常的にオンラインサービスを利用している人たちの直感は、下手な評価指標よりも、よっぽど的確に電子申請・電子政府サービスを評価してくれることでしょう。
きょうは何の日ですか?
ー利用者へのご案内ー
■システムがたいへん混雑しております。
只今、システムが大変混雑しております。ご迷惑をお掛けしますが、しばらく経ってからアクセスしてください。
~これでログイン率が100%だったら、おかしいですよね。もうだれも書き込みしなくなりましたね。「毎度のことだ」ってか?(苦笑)
大臣謝罪なしですね
先週の金曜日のトラブルは半端じゃなかったにもかかわらず、HP上でのお詫びにとどめてますね。
ちょうどいい具合にJREの入れ換え説明があったので、お詫びも目立たなくなってますが。
ほんとはJREの入れ換えもお詫びものなんですがね。
3月5日には17がでてることをアナウンスしてますから、これがなにかの修正であることは法務省も認識してます。通常はこれはセキュリティホールでしょう。
で その後に、法務省の電子証明の更新に伴うソフト入れ替えの延期を発表してます。
JRE入れ換えれば同じことをしなければなりませんが、3月は件数かせぎたいからこれを延期した。
ところがどっこい、電子政府の方は、3月10日
「JREの脆弱性について」をアナウンス。
それでもしばらくとぼけてましたが、いよいよそうもいかなくなった。
去年の夏 参議院選挙前に、厚生労働大臣が謝罪会見しましたが、あれも内閣府からの指摘があっても2週間ほど放置してたからですが、喉元すぎれば熱さ忘れる、ではいけませんねえ。
利用者が増えたということは、それだけ、ネットの危険に巻き込まれる人も増えたということですから、懇切丁寧な対応が求められますねえ。
恥ずかしいのか?
法務省オンライン申請システムでのログインできた割合の公開ページですが。
http://shinsei.moj.go.jp/new/login_tokei.html
何故か、どうしたの。先週の火曜日までの積算で終わっています。水曜日とか金曜日はどうだったの?
こういうのは、常時掲載する姿勢なら、きちんと公開せんといかんわね。
いや 手入力だそうです。
イエモリさん こんにちは。
都合の悪いことは隠すのです。
で、もっと都合の悪いこと。
なんとオンライン申請してたのが、申請データ手入力ですと。
http://masablog.livedoor.biz/archives/51301228.html
事実だとすると信じられませんね。
確かに商業、法人に比べると項目は少ないとはいえ、なんのためにXML使ってるのかわからない。
税収は減って、役所の手間が増える。最悪です。
むたさん ヒアリングした方がいいですよ。
余計なお世話?
↑何を言っているの?
IT新改革戦略評価専門調査会に電子政府評価委員会 報告書がでています。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/ithyouka/kaisai_h19/dai4/siryou2.pdf
まったく数字のマジックばかりです。甲号乙号あわせてもなんにもならない。自動化もできない登記オンラインなんだから。一般の方の相手などしてられないの。
http://masablog.livedoor.biz/archives/51301228.html
(いまは自動車のほうで!役割分担があるでしょ!)
安心して利用できる仕組みを
sagoさん、イエモリさん。こんにちは。
コメント&最新情報ありがとうございます。
アクセストラブルは、登記のようなデリケートな申請においては、特に致命的となりますので、少しでも利用者が安心できる措置を取っておく必要があると思います。
法務省オンライン申請システムの場合、
評価できる点は
・トラブル発生後、短時間(数時間)で復旧している
・トラブル情報を早期公開している
・申請件数やログオン確率等を早期公開している
他方、問題点として
・トラブルの頻度が多過ぎる
・JREへの対応が遅く、対症療法的である
・現在の処理能力が明らかにされていない
・情報公開やお知らせの伝え方に工夫が必要
・電子データが有効に活用されていない?
(不要な紙への出力・手入力・再入力など)
などが挙げられます。
このままでは、利用者の拡大が難しいだけでなく、既存の利用者が離れてしまいますので、リスク管理(特にリスクコミュニケーション)体制やCRM(顧客関係管理)の見直しが急務と考えます。
電子データが十分に活用されていないことについては、他省庁のオンライン申請システムや行政機関(地方を含む)における情報共有・連携などでも見られるもので、評価委員会でも大きな問題と認識しています。もちろん、今年度のヒアリングでも、きちんと確認したいと思います。
19年度は、年末調整関連の手続きについて、申請者(企業、従業員)と行政機関(国税庁、市町村)の処理フローを調査し、負担や無駄になっている箇所が明らかにされました。
今後は、他の申請手続きについても、同様の調査を行うと共に、ユーザビリティの観点から、オンライン申請のフロー(事前準備から申請、事後処理まで)を精査する必要があると考えています。
電子政府サービスの測定:アンケートでは不十分、実際の行動を測定しよう
http://blog.goo.ne.jp/egovblog/e/b247743dbb3e186df422cb6fea20de85
あいかわらずトラブルが
昨日は三回お詫び記事がありましたが、なんでこんなに不安定なのか。
先週大きなトラブルがあった21日の申請はびっくりするほど出てないのです。
http://www.moj.go.jp/MINJI/shinsei.html
2月第4週にあった2万件(不動産甲号オンラインのみ)は、今月はさて実現できるのでしょうか?
道路公団のオンライン利用が多く北陸3県は好調とか。福井は30パーセントだと。
この時期、公団も増えるはずなにに、2月の記録を破れない。
しかし、たくさん出てくれても法務局は困る。
書面より手間のかかる申請が増えるのですから。
データ入力も自動化できない。もしかして手打ちはあんまりだから、コピペしてるとか。
3月で締めた状況できちんと分析できないと、年末の10パーセント常態は期待できないでしょう。
そうなると、法務局廃止、地方移譲が加速する?
e-Taxで税務署はどれだけ効率化したとか、成果の「みえる化」をしてくれないと、ほんとわかりません。
まもっとも税務署は廃止対象になってないので危機感がイマイチか?いや国税の無駄づかいには敏感なはず。
経済財政諮問会議も本気
昨日の第6回会議は電子政府集中審議です。
http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2008/0401/agenda.html
さすが年度末特需
原因はよくわかりませんが、2月第4週の週間記録を軽く突破しましたね。
3月21日の大規模アクセストラブルも、翌週にはクリアーしたか。
http://www.moj.go.jp/MINJI/shinsei.html
トラブル原因を公表してもらいたいですね。
ただ局地的なトラブルはあいかわらずです。
経済財政諮問会議は、10パーセント超えても満足はしてくれないでしょうが。
10パーセント超え
sagoさん、こんにちは
いつもコメントありがとうございます。
経済界からの提言は、実情の理解が不十分なこともあり、ちょっとピントがずれているものもありますね。
ともあれ、10%の利用率が確保・維持できれば大したものです。
システム上のトラブルについては、沈静化していくのではないでしょうか。