電子政府・電子申請への提言(3):何度も同じことをさせていないか、利用者IDの統合・連携を
電子政府・電子申請への提言(2):一般的なインターネット環境と知識で利用できるか の続きです。
利用者IDについては、手続やサービス毎に発行せず、一つのIDで全ての電子政府・電子申請サービスを利用できる(ID統合だけでなく、ID連携も含む)ようにするべきである。同時に、IDが無くても(利用者登録をしなくても)利用できるサービスを増やすことが必要である。
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★作者による補足
電子政府サービスは、誰でも簡単に利用できることが大切で、「使いたいと思ったときに、すぐに使える」ことは、大きな強みとなります。
そのためには、
・利用者登録しないで、すぐに使える
・オンラインで利用者登録できて、即日使えるようになる
・一度利用者登録すれば、他のサービスも同じように使える
といった措置が有効です。
このような「使ってもらえそうなサービス」を実現するためには、どのような本人確認方法(成りすまし防止策)や運用が有効だろうか。と考えるのです。すなわち、「利用者ありき」「サービスありき」という考え方です。
ところが、現在の電子政府は、「本人確認ありき」「行政の責任回避ありき」となっており、「肝心の利用者やサービスは置いてけぼり」となっています。
その結果が、非常に使いづらく一般に馴染みのない「住基カード&公的個人認証の電子証明書(電子署名)」といった本人確認方法の採用に繋がっているわけです。
これは、決してICカードや電子署名が悪いということではありません。
問題となっているのは、「行政側のサービス提供者としての意識の低さ」です。ですから、基本的な考え方や姿勢を改めない限り、同じような過ちが何度も繰り返されることになります。
小手先のテクニックではどうにもならない。それが現在の日本の電子政府サービスなのです。