THX-1138:想像力と創造力
ジョージ・ルーカスの初長編作品として有名なSF映画『THX-1138』を観ました。1971年に低予算で作られたことを考えると、最先端と言えなくもありませんが、今となっては普通の作品でした。
SFは、映画であっても小説であっても、想像力と創造力が試されると思う。
多くのSF映画が、今ある技術や製品をイメージし、それを膨らませることで、「擬似未来」を作り出している。
例えば、音楽CDが最先端だった場合、「擬似未来」では「ミニミニCD」みたいなものに映像や音声が記録されていたりする。モニターは壁型の大画面、せいぜいが空間に映し出される3Dスクリーンといった具合である。
しかし、これでは「おー、すごい」という感動は無い。
せっかくの映画なのだから、もっと画期的な技術を体験したいのだが、そんな体験を提供してくれる作品には、滅多にお目にかかれない。
SF作品はそれほど観ていない作者であるが、中には、「お、これは」と思えるものもある。
例えば、『ターミネーター2 』の液体化するアンドロイドや、『攻殻機動隊』における隊員間の情報共有やコミュニケーション手法である。
今後の有望な研究対象として「脳」があるが、この延長上には『攻殻機動隊』の世界があるかもしれない。
携帯電話の操作が人間の視覚に頼っている限りは、ディスプレイをはずせないので、小型化には一定の限界がある。しかし、脳で直接情報を知覚し、かつ操作できるようになれば、ウェアラブル・コンピューターどころではない携帯性が実現できるだろう。
そうそう。ドラゴンボールのスカウターも忘れちゃいけない。
スカウターは、戦闘能力を数値化する小型モニターであるが、戦闘能力を数値化すること自体は、不可能ではないと思う。
対象人物の骨格や筋力、大腰筋を初めとした深層筋や脊椎の使われ方などをデータとして取り込めれば、基本的な運動能力を測定することができるはずだからである。
格闘技術に関しても、闘っている様子をモニタリングして分析すれば、数値化は可能と思う。
本物のスカウターのように、一瞬で戦闘能力を測定するのは、さすがに難しいと思うが、全く不可能ではないということである。
こんなことを考えながら観ると、たいして面白くないSF映画でも、けっこう楽しめたりする。