便利な電子政府サービスはアイデア次第、転居(住所移転)の場合

政府では、ワンストップサービスの例として、またもや転居(引越し)を考えているようです。確かに、「個人」を対象とした場合、「引越し」はネタにしやすいのですが、転居などは別にワンストップサービスなどに税金を無駄遣いすること無しに、いくらでもサービスを向上することができます。もちろん、住基カードや電子証明書なども必要ありません。

「Oさんが、A市からB町に転居する」として、具体的には次のようになります。

1 A市のホームページアクセスして、「転居サービス」ページから、住所、名前、転居先(B町)などの基本情報を入力して、A市に送信(SSL暗号化通信)します。

2 Oさんからの届出を受けたA市は、Oさんの住所に転居確認のハガキを送付します。ハガキには、基本情報に加えて、受付番号や転居に伴って必要となる手続一覧などが記載されています。

3 B町へ引越ししたOさんは、A市から送られてきたハガキを持って、B町の役場に行きます。B町では、Oさんの本人確認をしてから、ハガキに記載のある手続を行い、手続が完了したことを受付番号と共にA市にオンライン通知します。

4 B町から通知を受けたA市は、Oさんの手続を完了させます。

このようなサービスを実現するのに、難しい技術も高価なシステム構築も必要ありません。要はやる気が無いだけで、行政側にサービスを良くしようといったインセンティブが働いていないのです。

上記のサービスを自治体に提案したら、どんな反応があるでしょうか。ほとんどが、沈黙するか一生懸命に「できない理由」を挙げることでしょう。

やる気の無い行政に行政サービスを任せている限り、行政サービスも電子政府サービスも良くならないのです。

自治体はまだ良い方で、国となるとさらにインセンティブ(やる気)がありません。

ということで、誰かが止めない限りは、これからも使えない、使われない電子政府サービスやワンストップサービスが乱立していくのです。

“便利な電子政府サービスはアイデア次第、転居(住所移転)の場合” に2件のコメントがあります

  1. インセンティブ 自治体の場合
    むたさんの、
    >ということで、誰かが止めない限りは、これからも使えない、使われない電子政府サービスやワンストップサービスが乱立していくのです。

    とりあえず、滋賀県が止めましたね。
    http://eas01.pref.shiga.lg.jp/portal/

    他の自治体も追随するだろうなぁ。。。

  2. 自治体の進むべき道
    イエモリさん、こんばんは。
    コメントありがとうございます。

    進む地方の“電子申請離れ”――気になる国と地方の温度差:ITpro
    http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/OPINION/20080411/298741/?ST=govtech

    などでも指摘されていますね。

    電子政府コンサルタントとしては、自治体の電子申請離れは歓迎するところです。

    そもそも、電子申請はより良い行政サービスを提供するための手段であり、目的ではありません。

    行政側に「より良い行政サービスを提供したい」という強い意欲があってこそ、電子申請は手段として機能するのです。

    それが、「国の方針だから」「他の自治体がやってるから」といった理由で電子申請を導入しているのが大多数となっています。

    そんな電子申請が使われるわけがありません。

    ということで、「より良い行政サービスを提供したい」という意欲がない自治体は、できるだけ早く電子申請から撤退しましょう。

    「やる気がないものは去れ」です。

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