1,400兆円:個人の金融資産
日本銀行の調査によると、日本の個人金融資産の総額は1,400兆円(2001年末時点)となっています。
国民一人当たりの残高は1,148万円で、G5諸国(米国、日本、英国、ドイツ、フランス)中第2位です。
日本の個人は米国に比べ貯蓄好きで、安全資産中心の資産構成が特徴とされています。
参考資料:国際比較:個人金融資産1,400兆円
これに対して、
日本政府の国有財産現在額:106兆7,568億円(平成18年度)
厚生年金・国民年金の積立金額は149兆1,337億円
となっており、個人金融資産がいかに巨額かわかります。
また、平成18年度国民経済計算によると、
国民資産残高:8561兆7840億円
国民負債残高:5845兆1530億円
正味資産残高:2716兆6300億円
となっており、国民全体を見ても、かなり余裕があることがわかります。
問題なのは、やはり政府です。
国の借金現在高(平成20年3月末現在)は、
国債及び借入金現在高:849兆2396億円
政府保証債務現在高:47兆210億円
地方財政の借入金残高は、平成20年度末で197兆円で、その内訳は
・交付税特別会計借入金残高(地方負担分):34兆円
・公営企業債残高(普通会計負担分):26兆円
・地方債残高:137兆円
地方の借金は、平成16年をピークに緩やかですが減少傾向にありますが、国の借金は増えるばかりです。
単純に考えれば、日本政府が持っている資産より借金が多いわけですから、完全な債務超過で、いつ倒産してもおかしくありませんし、完済できる見込みもありません。
そこで、政府が当てにしたいのは、国民の財産(国民資産)です。何しろ1,400兆円もあるわけですから、政府の借金を全部返しても、まだお釣りがきます。
年金支給額の減額、保険料の引き上げ、増税、低金利政策などにより、個人金融資産を目減りさせ、借金返済や運転資金に充てることができます。
「日本国民は、政府に頼りきっている」と言われますが、お金に関して言えば、実は頼っているのは政府の方で、「国民の財布と資産を頼りに借金を続けている」と捉えることもできるのです。