「統合型企業コード検索システム」と「企業ディレクトリ」に期待

作者は、本ブログや電子政府評価委員会などを通じで、日本においても統一的な企業コードを確立し、「無料の企業検索サービス」を実現するように訴えてきました。

ここに来て、ようやく企業コードに関する横断的な取組みが始まりそうです。

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重点計画2008(平成20年8月20日 IT戦略本部決定)の『電子商取引における汎用的な共通基盤の構築・利用』を見ると(P.41)、次のような記述があります。

(ア) 企業コードの相互運用性確保(経済産業省)

企業間の電子商取引等に利用されている企業コードは、業界や用途などに応じて異なるコード体系となっていることから、既存の企業コードの相互運用性を高め、より柔軟な活用を可能とするために「統合型企業コード検索システム」を構築する。

(イ) 電話番号等を基盤とした「企業ディレクトリ」の整備(総務省)

官民により様々なコードが企業に振られている現状を踏まえ、電話番号等を基盤に、業種・業界横断で利用可能な企業台帳(企業ディレクトリ)の整備について実証し、企業システム間の連携を促進するとともに、電子取引・電子申請等においてシングル・サイン・オンによりID・パスワード管理のコスト削減を図る。

海外の企業検索サービスなどを見ると、企業名だけでなく、政府が付与する登録番号、民間で普及している番号などをキーワードとして検索できるようになっています。

日本では、複数の企業コード・事業コードが利用されているので、どのコードや番号を使っても検索できるようなサービスがあれば便利ですね。

電子政府の利用については、統一的なID番号を企業に付与しておけば、「ID番号+パスワードや電子証明書など」で、どのサービスも利用できるようになります。

統一的なID番号の付与が難しい場合は、ID連携により、同様のサービスが可能となります。

例えば、総務省で発行したID・パスワードを使って、経済産業省が提供するサービスも利用できるし、法務省のサービスも利用できるといった具合です。

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電子政府のインフラは整備されたと言われますが、ID管理については、まだまだこれからという段階です。

電子政府サービスを高度化していくためには、企業・住民・公務員等のID管理について、時間をかけてオープンに議論していくことが大切です。