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パスポートの電子申請モドキ 2001年5月22日

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インターネットを活用したパスポート申請の簡素化・合理化を提案しています。

要旨:
インターネット申請予約ができるようになれば、対面による本人確認等の厳格性を維持しながら、申請者の負担を減らし、利便性を向上できる。利用フローは次の通り。

  1. パスポート申請予約ページにアクセス
  2. ガイダンスに従って申請データを入力
  3. 確認画面で確認した後に、データ送信(SSLで暗号化)
  4. 無事にデータ送信が完了すると、予約受理番号が表示される
  5. 予約受理番号を印刷またはメモする
  6. 他の必要添付書類を持って、申請窓口で予約受理番号を提示
  7. 受付職員は、受理番号を端末に入力して画面表示させて印刷
  8. 写真等を確認しながら、紙申請と同様の手続で処理する
 
先日、パスポート(旅券)の新規申請に行ってきました。行った窓口は、神奈川県パスポートセンター。外務省の資料によると、旅券関連手続の年間平均申請件数は約691万件とのこと。どうりで混雑しているはずですね。

それにしても、手数料が高い。有効期間10年のパスポートで15000円はボッタクリだと思う。5年モノで1万円ですが、5年も10年も発行にかかる手間は同じだと思うんだけど違うかな。で、1万5千円の内訳は、都道府県収入証紙2,000円の収入印紙13,000円なり。ほとんどが、外交機密費とかに使われている気がするのは作者だけか。

冗談はさておき、申請窓口の対応はそれなりに合理化されているようで、6年程前に訪れた時ほどストレスを感じることはありませんでした。が、インターネットを活用すれば、もっとスムーズになるはずと思ったのも事実。

パスポート申請の電子化については、外務省の規制緩和推進3カ年計画に含まれており、いちおう今後の予定には挙げられているものの、現状できることはたくさんあるはず。そこで、パスポート電子申請(モドキ)を作者なりに考えてみました。

パスポート申請の手続

パスポート申請の手続については、旅券法という法律に定められています(条文が見たい方は、法令データ提供システムでどうぞ)。担当している行政庁は外務省であり、実際の手続窓口は各都道府県になります。

数少ない(というより、ほぼ唯一かな)国籍を証明できる身分証明書であるパスポートは、その発行手続が非常に厳格に行われ、特に本人確認については、対面による申請者の写真確認などが行われています。確かに、日本人でない人に、日本のパスポートを発行してしまっては大変ですよね。

申請手続きは2段階

具体的には、

必要な申請書類をそろえて、住民登録をしている都道府県のパスポート申請窓口で申請する

手数料その他必要なものを持参して、本人が申請窓口でパスポートを受け取る

の2行為が必要となります(多少の例外あり)。

これが、完全な電子申請になると、申請手続はインターネットで全て行い、手数料の支払も口座振込み等で済ませ、最後の受取時のみ窓口へ出頭することになるのでしょう。

申請時に必要な書類とその目的

それでは、最初に「申請時に必要な書類」を見てみましょう。全部で6つあります。

1)一般旅券発給申請書

申請者の申請意思を確認するのが、主たる目的でしょう。

2)戸籍謄本又は抄本

これは、国籍を確認する意味合いが強いと思われます。日本国籍がない人には戸籍は作成されないからです。もっとも、戸籍に記載されている内容が事実であるとは限りませんので、あくまで目安ということになります。

3)住民票写し(本籍地が記載されているもの)

申請者の住所確認が主たる目的でしょう。別の言い方をすれば、実在確認かな。成りすまし申請を防ぐために、住民票にある住所にはがきが送られるのもポイントですね。

4)写真(4.5cm×3.5cm)

パスポートに貼る写真ですが、本人確認、つまり成りすまし申請を防ぐのが主たる目的でしょうか。写真の要件を見る限りは、デジカメ写真でも良さそうですね。

5)運転免許証等などの身元確認書類

申請者の本人確認が主たる目的ですね。写真付きの身分証明書が必要になるのは、そのためでしょう。

6)未使用の官製はがき

申請者本人が住民票にある住所に住んでいることの確認と、成りすましによる申請ではないことの確認(申請意思の最終確認)が主たる目的でしょう。メルマガ登録で、登録確認のメールが送られてくるのと似ていますね。

パスポート交付時にも厳しく本人確認

続いて、パスポートを受取る時に必要なものを見ると、

1)申請の時に渡された受理票(手数料分の証紙を貼付)

申請手続をした者であることの確認ですね。

2)申請の時に提出し、自宅に送られる「はがき」

受理票を持っている人が、申請書に記載されている申請者と同一人物(住民票に記載されている住所に住んでいる人)であるかの確認ですね。

受理票がIDで、「はがき」がパスワードといった感じでしょうか。なお、申請手続きの詳細については、外務省が提供するパスポートA to Zをご覧下さいませ。

インターネットを使ってできる改善点

それでは、作者が思う安易な改善策をば。

申請予約をインターネットで

窓口を訪れると、申請書記入コーナーで悪戦苦闘する人が多いようです。面倒だなあと重いながら作者も記入してました。向かいのおじさんが、ずーっと悪態をつきながら記入していたので、退屈はしませんでしたが。名前をローマ字で記入する項でのリアクションはすごかった・・・。

これがインターネットで記入(入力)・送信できたら便利ですよね。こんな感じで。

1)パスポート申請予約ページにアクセス

2)ガイダンスに従って申請データを入力

3)確認画面で確認した後に、データ送信(SSLで暗号化)

4)無事にデータ送信が完了すると、予約受理番号が表示される

5)予約受理番号を印刷またはメモする

6)他の必要添付書類を持って、申請窓口で予約受理番号を提示

7)受付職員は、受理番号を端末に入力して画面表示させて印刷

8)写真等を確認しながら、紙申請と同様の手続で処理する

メリットは?

申請者のメリットという観点では、

・紙申請書に記入するよりは楽チン
・ヘルプ機能の充実などで、よりわかりやすく
・窓口での待ち時間が減る

役所のメリットという観点では、

・紙申請書データを電子化する作業がなくなる
・既に普及している技術で対応可能(コストが少なくて済む)
・対面による本人確認等の厳格性を維持できる
・国民に喜ばれる

電子政府・電子申請は、国民に喜ばれてナンボ。さらには行政職員の負担も減らないと意味がない。アドビ社などの技術を利用すれば、そんなに難しいものでもないと思いますので、外務省さんには是非検討して欲しいですねー。


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