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電子自治体の共同運営方式、その注意点と心構え 2004年5月24日

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電子自治体などに見られる、複数の自治体による共同運営方式について、参加する時の注意点・心構えを説明しています。
 
昨今よく見られるのが、電子自治体の共同運営です。

電子申請や電子調達のシステム構築・運営を、参加自治体が協働(お金、人、知恵を出し合う)で行い、出来上がったシステムを利用して、各自治体が電子自治体サービスを行うという仕組みです。

どうせ作るなら、他県の自治体にも開放して、利用料収入を得るのが良いでしょう。

さて、この方式は、予算や人材の不足を補い、無駄や重複を避けることができるので、うまく行えば非常に有効と言えるでしょう。しかし、それと同時に、大きなリスクがあることを認識しなければいけません。

リスクその1:

使えないシステムが構築されて、参加自治体が提供する電子自治体サービスが、非常に低いレベルで画一化されてしまう。

最も脅威となるリスクであり、それゆえに最優先で対応を考えなければいけないものです。出来上がった後で、「使ってもらうにはどうすれば?」と考えても後の祭りです。

共同のシステムを利用しながら、アイデアや工夫次第でサービスが良くなるように、自治体間の競争を促進する仕組みを作っておくことも必要です。

リスクその2:

「使ってもらえない」といった失敗に対して、責任の所在が曖昧になってしまう。

ただでさえ、責任の所在が曖昧な電子政府・電子自治体なのに、運営主体が協議会となることで、首長や担当者の緊張感も少なくなります。

共同運営方式に関わる際のポイント

共同運営方式に参加する際には、次のような点に注意しましょう。

  • 参加自治体は、自己責任で参加する。
  • 参加=学習機会と捉える。
  • 大将(責任者。都道府県が良い)を決める。
  • 構築費用はベンダーに負担させ、期間を決めた利用回数・手数料、調達コスト節約分等で回収させる。
  • 出来上がったサービスシステムの運営・経営を、民間企業に任せる。

ありがちな誤解と幻想

  • 参加していれば電子自治体ができるようになる
  • みんなで知恵を出し合って作れば良いものが出来上がる
  • 出来上がったシステムを使えば、行政サービスが向上する
  • 電子自治体はお金がかかるものだから、構築・運営の費用は仕方ない

電子自治体サービスが実際に利用されることを考えない仕組みである限り、「使えないものができあがる率」は200%といって良いでしょう。

「実際に利用されることを考える仕組み」とは、「利用されないと行政やベンダーが痛い目を見る」ということです。

 


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