MBR Consulting マナブーズ・ルーム・コンサルティング
「行政情報の電子的提供業務及び電子申請等受付業務の業務・システム最適化計画(案)」への意見 2005年7月24日

Home >>> 論考・資料室 >>> 「行政情報の電子的提供業務及び電子申請等受付業務の業務・システム最適化計画(案)」への意見
 
「行政情報の電子的提供業務及び電子申請等受付業務の業務・システム最適化計画(案)」に関する意見募集
2005年7月1日 総務省行政管理局行政情報システム企画課情報システム管理室
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050701_4.html

に対する作者からの意見です。業務・システムはもちろんですが、「サービス最適化」を進めて欲しいですね。

 
(1)各府省情報提供サイトの見直し計画

警察庁と各地方警察局のサイト統合について、

「現状のまま運用」とし、その理由として

  • リスク分散の観点から警察庁HPを標的とする攻撃への対策としてサイトを分ける必要がある。
  • サイトを統合しても地方部局の業務量は殆ど変わらないうえに、本庁の業務量が大幅に増大するため業務の効率化に繋がらない。

」と説明しています。他省庁で統合を進めている中で、こうした理由付けは無理があるように思います。むしろ各地方でバラバラのセキュリティレベルで運営されれば、弱いところが狙われますし、リスク分散したければ、本庁サーバの予備・切り替え等を補強すれば良いでしょう。

また、「サイトを統合しても地方部局の業務量は殆ど変わらないうえに、本庁の業務量が大幅に増大する」とありますが、何を持って比較・検討しているのか不明なので、説得力がありません。

現状と統合後(統合に伴う業務フローの見直しを含む)の比較資料などを提示するべきでしょう。

「セキュリティ上の理由」という言葉が一人歩きして、本来するべきことが行われず、しなくて良いことが行われる。その結果として、業務の効率化もセキュリティの強化も実現できず、お金ばかりがかかってしまった。

そうったことがないように、警察庁と各地方警察局のサイト統合については、見直し又は判断資料の開示を求めます。

(2)e-Govに整備する窓口システムの概要

資料を見る限りでは、専用システムと窓口システムの連携が不明確です。

利用者は、通常、自分と関係がある手続きが専用システムなのか窓口システムなのかを知りません。「電子政府の総合窓口」上で、利用者がスムーズに適切な電子申請へ移行できるよう、今まで以上の案内・検索機能充実が望まれます。

また、汎用システムで処理する手続であっても、専用システムの手続に関連するものであれば、専用システム内で同時に申請・処理できることが望ましいので、汎用システムと専用システムとの連携、複数の専用システム間の連携等も考慮するべきです。

(3)利用者の認証について

事前の面倒な利用登録や電子署名の要求などが、利用者を遠ざける原因となっています。

電子証明書や電子署名の利用にこだわらず、成りすまし等には事後の通知やチェックで対応するなど、インターネット利用者の現状に即した利用フローを考えることが望まれます。

以上


All Rights Reserved. Legal Notices. Copyright 1999-2005 Manabu Muta