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住基ネットを考える(5) Home |
住基ネットは既に始まっています。住民票コード通知の受領を拒否したり、送り返したりしても、住民票と住基ネットに記録された住民票コードはなくなりません。 自分の個人情報を自分で守ろうと思うならば、現実を踏まえた上で、住基ネットに関する自身の権利を知り、住基ネットとの付き合い方を身につけることが大切だと思います。 自分の権利や個人情報を守るためには、それなりの努力が必要なのですが、これがなかなか面倒で難しい・・・ |
住基ネットとの付き合い方 | |
住民票コードの通知が来たら |
(1)住民票コードの通知が来たら
住民票コードは他人に教えない、住民票コードを覚える必要はない 住民票コードの通知は、通常、世帯(家族)単位で行われます。名前と住民票コードを確認し、注意事項を読んだ後は、引出しの奥にでもしまっておきましょう。もちろん、住民票コードを覚える必要はありません。 住民票コードは、他人に教えないようにします。民間企業はもちろん、役所の人間に対しても、住民票コードを口頭や筆記で教える必要はないと考えて良いです。役所の人間を装った電話による問合せなどには、特に注意しましょう。 住民票コードの通知方法については議論があると思いますが、納税や健康保険など個人情報を多分に含む通知が、普通郵便によるハガキ(シールで封印)で行われていることを考えると、普通郵便による封書ぐらいが妥協ラインでしょうか。ただし、通知漏れや誤配については、適切なフォローを行うことが条件ですね。 離婚協議中であったり、DV(家庭内暴力)を受けているなど、世帯主との関係に特殊な事情があり、住民票コードを個人単位で受け取りたい場合は、その旨を役所に申し出ましょう。 既に通知が世帯主に渡ってしまっている場合は、住民票コードを変更した後、変更結果の通知を本人が直接役所に取りに行きます。その際には、身分を証明できるものや印鑑等が必要になります。なお、住民票は個人単位にしてもらうことが可能です。 関係条文(住民基本台帳法) (住民基本台帳の作成) (住民票コードの記載等) 住民票コードの変更がおすすめ どんなものにもミスは付き物です。役所がお金や手間を惜しまなければ、ミスが発生する可能性を最小限にすることはできますが、いずれにせよ完璧なものではありません(住基ネット 全国各地でなお誤配や記載ミスなどの混乱:DIGITALトゥデイ)。 もし、住民票コードの通知に誤配や記載ミスがあったら、役所に対して事実を連絡します。誤配や記載ミスにより、住民票コードが他人に漏れてしまっている可能性が高く(住民票コードの危殆化)心配なときは、住民票コードの変更手続をした方が良いでしょう。 他方、役所の側では、配達ミスや記載ミスがあった場合、住民に対して住民票コード変更に関する手続の告知を行うべきです。単に「変更ができますよ」ではなくて、手続の方法を詳しく説明することが必要です。もちろん、「ごめんなさい」も言いましょう。 住民票コード通知に誤配や記載ミスがあった場合、うっかり他人に住民票コードを教えてしまった場合などは、住民票コードの変更手続を行うことをお勧めします。 もちろん、変更するかしないかは本人の自由ですが、住民票コードを自分で管理したいのであれば、そのための行動が必要になってきます。 住民票コード変更請求の手続 請求先:市町村長 自分が住んでいる(住民票のある)市町村役場で行います。 必要書類:住民票コード変更請求書、本人確認資料(提示) 変更請求書は市町村役場においてあります。 関係条文(住民基本台帳法) (住民票コードの記載の変更請求) 住民基本台帳法施行令 住民基本台帳法施行規則 住基ネットに記録された自己の情報(本人確認情報)については、開示請求が認められています。 住基ネットに間違った情報が記録されていると、行政サービスを受ける際に不都合が生じる可能性がありますので、開示請求により自己の情報(氏名、性別、住所、生年月日、住民票コード、これらの変更情報)が正しく記録されているか確認しましょう。 なお、住民票コードなどの本人確認情報を変更した場合、変更前の情報(変更履歴)は通常5年間保存されています。 本人確認情報開示請求の手続 請求できる人:本人またはその法定代理人 詳しい手続は下記サイトや各都道府県のホームページを見てください。住民の個人情報保護や住基ネットに理解がある自治体であれば、住基ネットに関連する住民の権利とその行使方法を詳しく説明しているはずです。 指定情報処理機関に対する本人確認情報の開示請求について 関係条文(住民基本台帳法) (自己の本人確認情報の開示) 住民基本台帳法施行令 住基ネットに記録された自己の情報(本人確認情報)について、開示請求を行い確認したところ、その内容が間違っていたなんてこともあり得ます。その場合は、「本人確認情報の訂正等の申出」を行い、内容についての訂正・追加・削除をしてもらいます。 なお、住基ネットの情報が間違っている場合、その原本データである住民票に記載された情報が間違っている可能性があります。本人の知らない間に住民票が勝手に移され犯罪等に利用されることもありますので、併せて住民票の写しを取得して、その内容を確認しましょう。 本人確認情報が訂正されるまで 本人確認情報の開示請求 > 開示 > 内容が間違っている 本人確認情報訂正等申出の手続 請求できる人:本人またはその法定代理人 通知方法:書面による 詳しい手続は下記サイトを見てください。都道府県においては、本人確認情報の訂正等に関する情報の提供が、ほとんど行われていない状態ですね。これでは、住民の個人情報保護や住基ネットに理解があると思えませんし、住民に信頼してもらえるわけもありません。 指定情報処理機関に対する本人確認情報の訂正等の申出について 関係条文(住民基本台帳法) (自己の本人確認情報の訂正) 基本的に使うことはない、使う場合は住民基本台帳カードとセットで 住民票コード通知の注意事項に、住民票コードが役所の手続において必要となる場合があると書かれていることがあります。 しかしながら、住民票コードの変更手続や本人確認情報の開示請求などの例外はありますが、通常の役所の手続においては、住民票コードを記入したり口頭で伝える必要はありません。そのような要求を役所の人間はするべきではありませんし、そうした要求に住民は応える必要はありません。 住民票コードの変更手続や本人確認情報の開示請求などにおいても、住民票コードの記入がないことによって、申請や請求の権利が妨げられてはいけません。なぜなら、住民票コードを各住民が覚えているわけもなく、通知をなくしてしまうことも考えられるからです。 指定情報処理機関に対する本人確認情報の開示請求では、4情報(氏名、性別、住所、生年月日)の記載があれば、住民票コードの記載を必要としていません。さすがに、住基ネットの目的や住民票コードの意味を理解しているということですね。 4情報があれば、行政の側で住基ネットを利用して住民票コードを特定できるので、もし役所の手続で住民票コードの記入を求められたら、記入欄は未記入で良いのです。氏名、性別、住所、生年月日(住民票コードと違い、これなら覚えている)を記入すれば十分ですし、行政の側で本人確認がしたければ、免許証やパスポート等の提示をすれば良いのです。つまり、 住民票コードは、目に見える(用紙に記入する)又は耳に聞こえる(口頭で伝える)形で使われることはありません。 そのような行為は、住民票コードの危殆化を招きますので、避けるべきなのです。例えば、住民票の写しを請求したら住民票コードが記載されていたなんてことも、あってはならないのです。 ですから、住民票コードを覚える必要はありませんし、住民票コードを役所の人間に伝えて個人情報を引き出すこともできません。 もし、行政手続において住民票コードを使うことになったら、「住民基本台帳カード」を利用しましょう。住民基本台帳カードを利用すると、住民票コードを、目に見えず耳に聞こえない形で使うことができるからです。 関係条文(住民基本台帳法) (住民票コードの告知要求制限) 住基カードは無くても困らないが、あれば便利 住民基本台帳カード(住基カード)は、希望者に対して発行されます。希望しなければ発行されませんし、携帯を義務付けられることもありません。 無くても困らないので、とりあえず様子見でも良いでしょうし、住基ネットや電子政府のメリットを最大限に活用したいのであれば、住民基本台帳カードを取得した方が良いでしょう。住民基本台帳カードにより、住民票コードを意識せず安全な環境で使うことが可能になります。 住民票コードと住基カードの関係 住民基本台帳カード内に記録される情報は、「住民票コード」「パスワード」「鍵情報」で、4情報(氏名、性別、住所、生年月日)は記録されません。4情報と比較して(氏名には外字と言われるコンピュータ処理に馴染まない規格外の漢字が含まれることもあります)、11桁の数字である「住民票コード」はコンピュータ処理に適しているということです。 もし、住民票コードがなかったら、4情報(氏名、性別、住所、生年月日)をカード内に記録して、全ての情報を確認しなければいけません。システムを開発する費用は高くなり、処理するスピードや正確性は低くなることでしょう。 住民票コードを使ったとしても、それを紙に記入してもらっていたら、記入する住民も処理する職員も大変です。記入ミス、入力ミスも発生するでしょう。記入した内容を誰かに盗み見られてしまうかもしれません。 つまり、住民票コードは住民基本台帳カードとセットで利用されることで、初めてその力を発揮できると言えるのです。 住基カードの種類 住民基本台帳カードには、身分証明書として機能するもの(Bバージョン)と、そうでないもの(Aバージョン)があります。どちらの住民基本台帳カードを発行してもらうかは、申請時に住民が選択します。運転免許証などを持っていない場合は、身分証明書として機能するカードが便利でしょう。 Aバージョン カード記載情報:氏名、有効期限、交付地市町村名 Bバージョン カード記載情報:氏名、有効期限、交付地市町村名、住所、生年月日、性別、写真 当たり前ですが、住民票コードはカード表面に記載されません。 住基カードの取扱いと安全性 住民基本台帳カードには、ICカード(スマートカード)が利用されますので、磁気カード仕様のクレジットカードやキャッシュカードよりは安全です。また、カードの発行にあたっては、パスポートの発行と同じように本人確認が厳密に行われます。 取扱いについては、他人に貸与しない、パスワード(利用時に必要です)を教えない、パスワードを生年月日と同じにしない、といった所でしょうか。銀行のキャッシュカードを大切にするのと同じぐらいの注意深さで取り扱えば良いでしょう。 住基カードを利用したサービス 住基カードを利用したサービスは、今のところショボイです。今後、サービスが充実していくことに期待しましょう。運転免許証の書換えやパスポートの発行が簡単・迅速になると良いのですが。 1:住民票の写しの広域交付 全国どこの市町村でも住民票の写しの交付が受けられる。 2:転入転出の特例処理 「付記転出届」を転出地市町村に郵送することにより、「転出証明書」なしで転入届ができる。 3:条例による市町村独自の利用 カードメモリの空き領域を活用して、印鑑登録証明事務、福祉サービスなど多目的な行政サービスを行うことができる。 4:窓口における本人確認 市町村の窓口において、住基カードを提示すれば(機械で読み取る)、居住する市町村の住民であることを確認できる。 5:市町村民証明書 写真付きの住基カードであれば、市町村民証明書として利用できる。現在でも同様のサービスがありますね。 6:電子申請・ワンストップサービスでの本人確認 将来的には、電子申請・ワンストップサービスにおける本人確認に利用される予定です。これができないと元が取れないぞ。 住基カードに関する誤解 住基カードには、市町村の条例で定めることにより、独自サービスの追加が可能です。 実現されるかは別にして、住民票コードの他に、健康保険証、公的年金カード、運転免許証、パスポート、納税情報、印鑑登録証明、図書館や駐車場などの利用者証、民間による社員証や学生証、キャッシュカード、クレジットカード、定期券、会員券、病院の診察券などの情報を格納することができます。 しかしながら、これらの情報は別々に管理されており、住民票コードとは何の関係もありません。例えて言えば、財布の中に様々なカードが入っていますが、それらが相互に関連しないのと同じです。住民票コードから、その人がレンタルビデオで何を借りたかなどわかるはずもありません。また、どのサービスを追加するかは利用者の選択によります。 住民票コードと住基カードにより、医療情報、収入やローンの経済情報、思想信条、戸籍、犯罪歴などが一元的に管理されるシステムを国が構築することは、経済的、制度的な障害を考えても、まず不可能でしょう。 住民基本台帳カード交付申請の手続 発行開始:平成15年8月より 申請先:住民票のある市町村 必要書類:住民基本台帳カード交付申請書など 詳しい内容は未定です。 関係条文(住民基本台帳法) (住民基本台帳カードの交付) 住基ネットに関して苦情を言いたい時は、住民票コード通知に記載された連絡先にしましょう。その他に、都道府県知事、指定情報処理機関、警察(住民票コードの告知を強要された場合など)でもかまいません。 地方公共団体コード住所一覧 全国自治体マップ検索 LASDEC 財団法人地方自治情報センター 住民基本台帳ネットワークシステム緊急時の対応 関係条文(住民基本台帳法) (苦情処理) |
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