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住基ネットを考える(5)

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(11)住基ネットとの付き合い方

住基ネットは既に始まっています。住民票コード通知の受領を拒否したり、送り返したりしても、住民票と住基ネットに記録された住民票コードはなくなりません。

自分の個人情報を自分で守ろうと思うならば、現実を踏まえた上で、住基ネットに関する自身の権利を知り、住基ネットとの付き合い方を身につけることが大切だと思います。

自分の権利や個人情報を守るためには、それなりの努力が必要なのですが、これがなかなか面倒で難しい・・・

住基ネットとの付き合い方
住民票コードの通知が来たら

住民票コード通知に誤配や記載ミスがあったら

住民票コードを変更するには

住基ネットに記録された自分の情報を確認するには

住基ネットに記録された自分の情報を訂正するには

住民票コードを使うには

住民基本台帳カードを使うには

住基ネットに関して苦情を言うには

(1)住民票コードの通知が来たら

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住民票コードは他人に教えない住民票コードを覚える必要はない

住民票コードの通知は、通常、世帯(家族)単位で行われます。名前と住民票コードを確認し、注意事項を読んだ後は、引出しの奥にでもしまっておきましょう。もちろん、住民票コードを覚える必要はありません。

住民票コードは、他人に教えないようにします。民間企業はもちろん、役所の人間に対しても、住民票コードを口頭や筆記で教える必要はないと考えて良いです。役所の人間を装った電話による問合せなどには、特に注意しましょう。

住民票コードの通知方法については議論があると思いますが、納税や健康保険など個人情報を多分に含む通知が、普通郵便によるハガキ(シールで封印)で行われていることを考えると、普通郵便による封書ぐらいが妥協ラインでしょうか。ただし、通知漏れや誤配については、適切なフォローを行うことが条件ですね。

離婚協議中であったり、DV(家庭内暴力)を受けているなど、世帯主との関係に特殊な事情があり、住民票コードを個人単位で受け取りたい場合は、その旨を役所に申し出ましょう。

既に通知が世帯主に渡ってしまっている場合は、住民票コードを変更した後、変更結果の通知を本人が直接役所に取りに行きます。その際には、身分を証明できるものや印鑑等が必要になります。なお、住民票は個人単位にしてもらうことが可能です。

関係条文(住民基本台帳法)

(住民基本台帳の作成)
第六条  市町村長は、個人を単位とする住民票を世帯ごとに編成して、住民基本台帳を作成しなければならない。

 2  市町村長は、適当であると認めるときは、前項の住民票の全部又は一部につき世帯を単位とすることができる。

 3  市町村長は、政令で定めるところにより、第一項の住民票を磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。以下同じ。)をもつて調製することができる。

(住民票コードの記載等)
第三十条の二 市町村長は、次項に規定する場合を除き、住民票の記載をする場合には、当該記載に係る者につき直近に住民票の記載をした市町村長が当該住民票に直近に記載した住民票コードを記載するものとする。

2 市町村長は、新たにその市町村の住民基本台帳に記録されるべき者につき住民票の記載をする場合において、その者がいずれの市町村においても住民基本台帳に記録されたことがない者であるときは、その者に係る住民票に第三十条の七第一項の規定により都道府県知事から指定された住民票コードのうちから選択するいずれか一の住民票コードを記載するものとする。この場合において、市町村長は、当該記載に係る者以外の者に係る住民票に記載した住民票コードと異なる住民票コードを選択して記載するものとする。

3 市町村長は、前項の規定により住民票コードを記載したときは、速やかに、当該記載に係る者に対し、その旨及び当該住民票コードを書面により通知しなければならない。


(2)住民票コード通知に誤配や記載ミスがあったら

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住民票コードの変更がおすすめ

どんなものにもミスは付き物です。役所がお金や手間を惜しまなければ、ミスが発生する可能性を最小限にすることはできますが、いずれにせよ完璧なものではありません(住基ネット 全国各地でなお誤配や記載ミスなどの混乱:DIGITALトゥデイ)。

もし、住民票コードの通知に誤配や記載ミスがあったら、役所に対して事実を連絡します。誤配や記載ミスにより、住民票コードが他人に漏れてしまっている可能性が高く(住民票コードの危殆化)心配なときは、住民票コードの変更手続をした方が良いでしょう。

他方、役所の側では、配達ミスや記載ミスがあった場合、住民に対して住民票コード変更に関する手続の告知を行うべきです。単に「変更ができますよ」ではなくて、手続の方法を詳しく説明することが必要です。もちろん、「ごめんなさい」も言いましょう。


(3)住民票コードを変更するには

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住民票コード通知に誤配や記載ミスがあった場合、うっかり他人に住民票コードを教えてしまった場合などは、住民票コードの変更手続を行うことをお勧めします。

もちろん、変更するかしないかは本人の自由ですが、住民票コードを自分で管理したいのであれば、そのための行動が必要になってきます。

住民票コード変更請求の手続

請求先:市町村長

 自分が住んでいる(住民票のある)市町村役場で行います。

必要書類:住民票コード変更請求書、本人確認資料(提示)

 変更請求書は市町村役場においてあります。

 変更請求書には、氏名、住所、住民票コードを記載します。

 本人確認資料は、運転免許証や健康保険の被保険者証など、本人であることを確認できるものです。

 好きな番号を選ぶことは出来ません。

 住民票コードを変更した旨と新しい住民票コードが書面により本人宛てに通知されます。

関係条文(住民基本台帳法)

(住民票コードの記載の変更請求)
第三十条の三 住民基本台帳に記録されている者は、その者が記録されている住民基本台帳を備える市町村の市町村長に対し、その者に係る住民票に記載されている住民票コードの記載の変更を請求することができる。

2 前項の規定による住民票コードの記載の変更の請求(以下この条において「変更請求」という。)をしようとする者は、政令で定めるところにより、その旨その他自治省令で定める事項を記載した変更請求書を、その者が記録されている住民基本台帳を備える市町村の市町村長に提出しなければならない。

3 市町村長は、前項の変更請求書の提出があつた場合には、当該変更請求をした者に係る住民票に従前記載されていた住民票コードに代えて、第三十条の七第一項の規定により都道府県知事から指定された住民票コードのうちから選択するいずれか一の新たな住民票コードをその者に係る住民票に記載するものとする。この場合において、市町村長は、当該記載に係る者以外の者に係る住民票に記載した住民票コードと異なる住民票コードを選択して記載するものとする。

4 市町村長は、前項の規定により新たな住民票コードを記載したときは、速やかに、当該変更請求をした者に対し、住民票コードの記載の変更をした旨及び新たに記載された住民票コードを書面により通知しなければならない。

住民基本台帳法施行令
(住民票コードの記載の変更請求書の提出方法)
第三十条の三 法第三十条の三第一項の規定により住民票コードの記載の変更の請求をしようとする者は、同条第二項に規定する変更請求書を提出する際に、総務省令で定める書類を提示しなければならない。

住民基本台帳法施行規則
(住民票コードの記載の変更請求書の提出の際に提示する書類)
第三条 令第三十条の三に規定する総務省令で定める書類は、次に掲げるいずれかの書類であって、請求者の氏名が記載されているものとする。

一 運転免許証、健康保険の被保険者証その他法律又はこれに基づく命令の規定により交付された書類であって当該請求者が本人であることを確認するため市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)が適当と認めるもの

二 前号に掲げる書類をやむを得ない理由により提示することができない場合には、当該請求者が本人であることを確認するため市町村長が適当と認める書類
(住民票コードの記載の変更請求書の記載事項)

第四条 法第三十条の三第二項の総務省令で定める事項は、住民票コードの記載の変更を請求しようとする者の氏名、住所及び住民票コードとする。


(4)住基ネットに記録された自分の情報を確認するには

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住基ネットに記録された自己の情報(本人確認情報)については、開示請求が認められています。

住基ネットに間違った情報が記録されていると、行政サービスを受ける際に不都合が生じる可能性がありますので、開示請求により自己の情報(氏名、性別、住所、生年月日、住民票コード、これらの変更情報)が正しく記録されているか確認しましょう。

なお、住民票コードなどの本人確認情報を変更した場合、変更前の情報(変更履歴)は通常5年間保存されています。

本人確認情報開示請求の手続

請求できる人:本人またはその法定代理人

請求先:都道府県知事または指定情報処理機関

請求方法:書面(持参または郵送)

必要書類

・本人確認情報開示請求書
・運転免許証や健康保険の被保険者証など、本人であることを確認できるもの(提示または提出。郵送の場合は写しの提出)

開示方法:書面(請求者の同意がある場合は閲覧等でも良い)

手数料:1件につき20円など(請求先による)

詳しい手続は下記サイトや各都道府県のホームページを見てください。住民の個人情報保護や住基ネットに理解がある自治体であれば、住基ネットに関連する住民の権利とその行使方法を詳しく説明しているはずです。

指定情報処理機関に対する本人確認情報の開示請求について
http://www.lasdec.nippon-net.ne.jp/rpo/kaiji/kaiji.html
詳しい説明と開示請求書(PDF)があります。4情報(氏名、性別、住所、生年月日)の記載があれば、住民票コードの記載を必要としない。

本人確認情報の開示を請求される方へ(岐阜県)
http://www.pref.gifu.jp/s11108/jyuki/jyukinet5.htm
かなり詳しい説明があります。

住民基本台帳ネットワークシステムについて(福岡県)
http://www.pref.fukuoka.jp/somu/01b060301.htm
本人確認情報開示請求書をPDFファイルで提供しています。  

関係条文(住民基本台帳法)

(自己の本人確認情報の開示)
第三十条の三十七 何人も、都道府県知事又は指定情報処理機関に対し、第三十条の五第三項又は第三十条の十一第三項の規定により磁気ディスクに記録されている自己に係る本人確認情報について、書面により、その開示(自己に係る本人確認情報が存在しないときにその旨を知らせることを含む。以下同じ。)を請求することができる。

2 都道府県知事又は指定情報処理機関は、前項の開示の請求(以下この項及び次条第一項において「開示請求」という。)があつたときは、開示請求をした者(以下この項及び次条第二項において「開示請求者」という。)に対し、書面により、当該開示請求に係る本人確認情報について開示をしなければならない。ただし、開示請求者の同意があるときは、書面以外の方法により開示をすることができる。

(開示の期限)
第三十条の三十八 前条第二項の規定による開示は、開示請求を受理した日から起算して三十日以内にしなければならない。

2 都道府県知事又は指定情報処理機関は、事務処理上の困難その他正当な理由により前項に規定する期間内に開示をすることができないときは、同項に規定する期間内に、開示請求者に対し、同項の期間内に開示をすることができない理由及び開示の期限を書面により通知しなければならない。

 (手数料)
第三十条の三十九 第三十条の三十七第一項の規定により指定情報処理機関に対し自己に係る本人確認情報の開示を請求する者は、指定情報処理機関が自治大臣の認可を受けて定める額の手数料を納めなければならない。

住民基本台帳法施行令
(都道府県における本人確認情報の保存期間)
第三十条の六 法第三十条の五第三項に規定する政令で定める期間は、次の各号に掲げる同条第一項に規定する本人確認情報(以下この条及び第三十条の十一において「本人確認情報」という。)の区分に応じ、当該本人確認情報の通知の日から当該各号に定める日までの期間とする。
一 住民票の記載又は記載の修正が行われたことにより通知された本人確認情報 当該本人確認情報に係る者に係る新たな本人確認情報の通知を受けた日から起算して五年を経過する日
二 住民票の消除(死亡による消除を除く。)が行われたことにより通知された本人確認情報 次に掲げる日のいずれか遅い日
イ 当該本人確認情報の通知の日から起算して五年を経過する日
ロ 次に掲げる日のうち最も早い日
(1) 当該本人確認情報に係る者に係る新たな本人確認情報の通知を受けた日
(2) 当該本人確認情報の通知後、当該本人確認情報に係る者に係る第十三条第三項の規定による通知を受けた日
(3) 当該本人確認情報の通知後、当該本人確認情報に係る者が、いずれかの市町村において住民基本台帳に初めて記録されたことを知つた日
(4) 当該本人確認情報の通知の日から起算して八十年を経過する日
三 住民票の消除(死亡による消除に限る。)が行われたことにより通知された本人確認情報 当該本人確認情報の通知の日から起算して五年を経過する日


(5)住基ネットに記録された自分の情報を訂正するには

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住基ネットに記録された自己の情報(本人確認情報)について、開示請求を行い確認したところ、その内容が間違っていたなんてこともあり得ます。その場合は、「本人確認情報の訂正等の申出」を行い、内容についての訂正・追加・削除をしてもらいます。

なお、住基ネットの情報が間違っている場合、その原本データである住民票に記載された情報が間違っている可能性があります。本人の知らない間に住民票が勝手に移され犯罪等に利用されることもありますので、併せて住民票の写しを取得して、その内容を確認しましょう。

本人確認情報が訂正されるまで

本人確認情報の開示請求 > 開示 > 内容が間違っている
 > 訂正等の申出 > 結果の通知(本人確認情報の訂正等)

本人確認情報訂正等申出の手続

請求できる人:本人またはその法定代理人

 事前に自己に係る本人確認情報の開示請求を行い、実際に開示された者に限られます。

請求先:都道府県知事または指定情報処理機関

請求方法:書面(持参または郵送)

必要書類

・本人確認情報訂正等申出書
・運転免許証や健康保険の被保険者証など、本人であることを確認できるもの(提示または提出。郵送の場合は写しの提出)
・「本人確認情報確認書」(開示請求し開示を受けたことを確認します)
・申出内容が事実に合致することを証明する書類

通知方法:書面による

詳しい手続は下記サイトを見てください。都道府県においては、本人確認情報の訂正等に関する情報の提供が、ほとんど行われていない状態ですね。これでは、住民の個人情報保護や住基ネットに理解があると思えませんし、住民に信頼してもらえるわけもありません。

指定情報処理機関に対する本人確認情報の訂正等の申出について
http://www.lasdec.nippon-net.ne.jp/rpo/kaiji/teisei.html
詳しい説明と訂正等申出書(PDF)があります。4情報(氏名、性別、住所、生年月日)の記載があれば、住民票コードの記載を必要としない。

関係条文(住民基本台帳法)

(自己の本人確認情報の訂正)
第三十条の四十 都道府県知事又は指定情報処理機関は、第三十条の三十七第二項の規定により開示を受けた者から、書面により、開示に係る本人確認情報についてその内容の全部又は一部の訂正、追加又は削除の申出があつたときは、遅滞なく調査を行い、その結果を当該申出をした者に対し、書面で通知するものとする。


(6)住民票コードを使うには

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基本的に使うことはない、使う場合は住民基本台帳カードとセットで

住民票コード通知の注意事項に、住民票コードが役所の手続において必要となる場合があると書かれていることがあります。

しかしながら、住民票コードの変更手続や本人確認情報の開示請求などの例外はありますが、通常の役所の手続においては、住民票コードを記入したり口頭で伝える必要はありません。そのような要求を役所の人間はするべきではありませんし、そうした要求に住民は応える必要はありません。

住民票コードの変更手続や本人確認情報の開示請求などにおいても、住民票コードの記入がないことによって、申請や請求の権利が妨げられてはいけません。なぜなら、住民票コードを各住民が覚えているわけもなく、通知をなくしてしまうことも考えられるからです。

指定情報処理機関に対する本人確認情報の開示請求では、4情報(氏名、性別、住所、生年月日)の記載があれば、住民票コードの記載を必要としていません。さすがに、住基ネットの目的や住民票コードの意味を理解しているということですね。

4情報があれば、行政の側で住基ネットを利用して住民票コードを特定できるので、もし役所の手続で住民票コードの記入を求められたら、記入欄は未記入で良いのです。氏名、性別、住所、生年月日(住民票コードと違い、これなら覚えている)を記入すれば十分ですし、行政の側で本人確認がしたければ、免許証やパスポート等の提示をすれば良いのです。つまり、

住民票コードは、目に見える(用紙に記入する)又は耳に聞こえる(口頭で伝える)形で使われることはありません。

そのような行為は、住民票コードの危殆化を招きますので、避けるべきなのです。例えば、住民票の写しを請求したら住民票コードが記載されていたなんてことも、あってはならないのです。

ですから、住民票コードを覚える必要はありませんし、住民票コードを役所の人間に伝えて個人情報を引き出すこともできません。

もし、行政手続において住民票コードを使うことになったら、「住民基本台帳カード」を利用しましょう。住民基本台帳カードを利用すると、住民票コードを、目に見えず耳に聞こえない形で使うことができるからです。

関係条文(住民基本台帳法)

(住民票コードの告知要求制限)
第三十条の四十二 市町村長その他の市町村の執行機関は、この法律に規定する事務又はその処理する事務であつてこの法律の定めるところにより当該事務の処理に関し本人確認情報の提供を求めることができることとされているものの遂行のため必要がある場合を除き、何人に対しても、当該市町村の住民以外の者に係る住民票に記載された住民票コードを告知することを求めてはならない。

2 都道府県知事その他の都道府県の執行機関は、この法律に規定する事務又はその処理する事務であつてこの法律の定めるところにより当該事務の処理に関し本人確認情報の提供を求めることができることとされているものの遂行のため必要がある場合を除き、何人に対しても、その者又はその者以外の者に係る住民票に記載された住民票コードを告知することを求めてはならない。

3 指定情報処理機関は、この法律に規定する事務の遂行のため必要がある場合を除き、何人に対しても、その者又はその者以外の者に係る住民票に記載された住民票コードを告知することを求めてはならない。

4 別表第一の上欄に掲げる国の機関又は法人は、その処理する事務であつてこの法律の定めるところにより当該事務の処理に関し本人確認情報の提供を求めることができることとされているものの遂行のため必要がある場合を除き、何人に対しても、その者又はその者以外の者に係る住民票に記載された住民票コードを告知することを求めてはならない。


(7)住民基本台帳カードを使うには

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住基カードは無くても困らないが、あれば便利

住民基本台帳カード(住基カード)は、希望者に対して発行されます。希望しなければ発行されませんし、携帯を義務付けられることもありません。

無くても困らないので、とりあえず様子見でも良いでしょうし、住基ネットや電子政府のメリットを最大限に活用したいのであれば、住民基本台帳カードを取得した方が良いでしょう。住民基本台帳カードにより、住民票コードを意識せず安全な環境で使うことが可能になります。

住民票コードと住基カードの関係

住民基本台帳カード内に記録される情報は、「住民票コード」「パスワード」「鍵情報」で、4情報(氏名、性別、住所、生年月日)は記録されません。4情報と比較して(氏名には外字と言われるコンピュータ処理に馴染まない規格外の漢字が含まれることもあります)、11桁の数字である「住民票コード」はコンピュータ処理に適しているということです。

もし、住民票コードがなかったら、4情報(氏名、性別、住所、生年月日)をカード内に記録して、全ての情報を確認しなければいけません。システムを開発する費用は高くなり、処理するスピードや正確性は低くなることでしょう。

住民票コードを使ったとしても、それを紙に記入してもらっていたら、記入する住民も処理する職員も大変です。記入ミス、入力ミスも発生するでしょう。記入した内容を誰かに盗み見られてしまうかもしれません。

つまり、住民票コードは住民基本台帳カードとセットで利用されることで、初めてその力を発揮できると言えるのです。

住基カードの種類

住民基本台帳カードには、身分証明書として機能するもの(Bバージョン)と、そうでないもの(Aバージョン)があります。どちらの住民基本台帳カードを発行してもらうかは、申請時に住民が選択します。運転免許証などを持っていない場合は、身分証明書として機能するカードが便利でしょう。

Aバージョン

カード記載情報:氏名、有効期限、交付地市町村名

Bバージョン

カード記載情報:氏名、有効期限、交付地市町村名、住所、生年月日、性別、写真

当たり前ですが、住民票コードはカード表面に記載されません。

住基カードの取扱いと安全性

住民基本台帳カードには、ICカード(スマートカード)が利用されますので、磁気カード仕様のクレジットカードやキャッシュカードよりは安全です。また、カードの発行にあたっては、パスポートの発行と同じように本人確認が厳密に行われます。

取扱いについては、他人に貸与しない、パスワード(利用時に必要です)を教えない、パスワードを生年月日と同じにしない、といった所でしょうか。銀行のキャッシュカードを大切にするのと同じぐらいの注意深さで取り扱えば良いでしょう。

住基カードを利用したサービス

住基カードを利用したサービスは、今のところショボイです。今後、サービスが充実していくことに期待しましょう。運転免許証の書換えやパスポートの発行が簡単・迅速になると良いのですが。

1:住民票の写しの広域交付

全国どこの市町村でも住民票の写しの交付が受けられる。

2:転入転出の特例処理

「付記転出届」を転出地市町村に郵送することにより、「転出証明書」なしで転入届ができる。

3:条例による市町村独自の利用

カードメモリの空き領域を活用して、印鑑登録証明事務、福祉サービスなど多目的な行政サービスを行うことができる。

4:窓口における本人確認

市町村の窓口において、住基カードを提示すれば(機械で読み取る)、居住する市町村の住民であることを確認できる。

5:市町村民証明書

写真付きの住基カードであれば、市町村民証明書として利用できる。現在でも同様のサービスがありますね。

6:電子申請・ワンストップサービスでの本人確認

将来的には、電子申請・ワンストップサービスにおける本人確認に利用される予定です。これができないと元が取れないぞ。

住基カードに関する誤解

住基カードには、市町村の条例で定めることにより、独自サービスの追加が可能です。

実現されるかは別にして、住民票コードの他に、健康保険証、公的年金カード、運転免許証、パスポート、納税情報、印鑑登録証明、図書館や駐車場などの利用者証、民間による社員証や学生証、キャッシュカード、クレジットカード、定期券、会員券、病院の診察券などの情報を格納することができます。

しかしながら、これらの情報は別々に管理されており、住民票コードとは何の関係もありません。例えて言えば、財布の中に様々なカードが入っていますが、それらが相互に関連しないのと同じです。住民票コードから、その人がレンタルビデオで何を借りたかなどわかるはずもありません。また、どのサービスを追加するかは利用者の選択によります。

住民票コードと住基カードにより、医療情報、収入やローンの経済情報、思想信条、戸籍、犯罪歴などが一元的に管理されるシステムを国が構築することは、経済的、制度的な障害を考えても、まず不可能でしょう。

住民基本台帳カード交付申請の手続

発行開始:平成15年8月より

申請先:住民票のある市町村

必要書類:住民基本台帳カード交付申請書など

詳しい内容は未定です。

関係条文(住民基本台帳法)

(住民基本台帳カードの交付)
第三十条の四十四 住民基本台帳に記録されている者は、その者が記録されている住民基本台帳を備える市町村の市町村長に対し、自己に係る住民基本台帳カード(その者に係る住民票に記載された氏名及び住民票コードその他政令で定める事項が記録されたカードをいう。以下同じ。)の交付を求めることができる。

2 住民基本台帳カードの交付を受けようとする者は、政令で定めるところにより、その交付を受けようとする旨その他自治省令で定める事項を記載した交付申請書を、その者が記録されている住民基本台帳を備える市町村の市町村長に提出しなければならない。

3 市町村長は、前項の交付申請書の提出があつた場合には、その者に対し、政令で定めるところにより、住民基本台帳カードを交付しなければならない。

4 住民基本台帳カードの様式その他必要な事項は、自治省令で定める。

5 住民基本台帳カードの交付を受けている者は、住民基本台帳カードを紛失したときは、直ちに、その旨を当該住民基本台帳カードを交付した市町村長に届け出なければならない。

6 住民基本台帳カードの交付を受けている者は、転出をする場合その他の政令で定める場合には、政令で定めるところにより、当該住民基本台帳カードを、当該住民基本台帳カードを交付した市町村長に返納しなければならない。

7 前各項に定めるもののほか、住民基本台帳カードの再交付を受けようとする場合及び第二項の交付申請書に記載した事項につき異動があつた場合における手続に関する事項その他住民基本台帳カードに関し必要な事項は、政令で定める。

8 市町村長その他の市町村の執行機関は、住民基本台帳カードを、条例の定めるところにより、条例に規定する目的のために利用することができる。


(8)住基ネットに関して苦情を言うには

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住基ネットに関して苦情を言いたい時は、住民票コード通知に記載された連絡先にしましょう。その他に、都道府県知事、指定情報処理機関、警察(住民票コードの告知を強要された場合など)でもかまいません。

地方公共団体コード住所一覧
http://www.lasdec.nippon-net.ne.jp/com/addr/jyu_top.htm
全国自治体の住所や電話番号などがわかります。

全国自治体マップ検索
http://www.nippon-net.ne.jp/cgi-bin/search/mapsearch/nn_MapSearch.cgi
全国自治体のホームページがわかります。

LASDEC 財団法人地方自治情報センター
http://www.lasdec.nippon-net.ne.jp/
住基ネットの指定情報処理機関です。

住民基本台帳ネットワークシステム緊急時の対応
http://www.soumu.go.jp/c-gyousei/daityo/020802_1.html
指定情報処理機関への問い合わせについての情報があります。

関係条文(住民基本台帳法)

(苦情処理)
第三十条の四十一  都道府県知事又は指定情報処理機関は、この法律の規定により都道府県が処理する事務又は指定情報処理機関が行う本人確認情報処理事務等の実施に関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければならない。

(苦情処理)
第三十六条の三  市町村長は、この法律の規定により市町村が処理する事務の実施に関する苦情の適切かつ迅速な処理に努めなければならない。

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