過去に掲載された電子申請に関するサイト紹介です。 |
2004/2/28 地方公共団体における情報セキュリティポリシー(情報セキュリティ対策に関する基本方針)等の策定状況 市町村レベルにおいて、情報セキュリティポリシーや個人情報保護条例が制定されていないという現状は、日本の電子自治体が抱える大きな課題ですね。 基本的には、各自治体が対応することになりますが、住基ネットにも見られるように、自治体間の格差があるのが現実であり、対応できないのが悪いと切り捨てるのは、あまり良い考え方ではありません。大切なのは、各自治体の情報セキュリティや個人情報保護が一定レベルで確保されることなのですね。 ですから、対応が遅れている自治体については、その原因(人が足りない、お金がない、意識が足りない等々)を明確にして、国や近接する先進自治体の支援を得ながら、改善していく方向へ進めるのが良いでしょう。
評価専門調査会(第2回)議事要旨 日本の電子政府に関して、国際的な評価が低いことは広く知られているところです。日本は他国と違うアプローチで進んでいるし、基盤整備も最先端なのだから、特に気にすることはないと考えているうちは、いつまで経っても国際的な評価は上がりません。 なぜ国際的な評価が低いのか?と考えることで、日本の電子政府が抱える課題や弱点を知ることが大切なのです。 有名なところでは国連の評価がありますが、ここ数年、日本は20位前後を推移しており、北米やヨーロッパはもちろん、韓国やシンガポールなどにも差をつけられています。この評価は、大きく分けて次の3つの視点から行われています。
日本は、3の評価は高く、2についても良い。ブロードバンドや携帯電話によるインターネット環境整備が急速に進んでいますので、今後も上昇していくことでしょう。ところが、1の「Webの活用度」となると、一気に30位以下となります。 2、3については、一朝一夕で改善されるものではなく、日本が持つ大きな強みとなっています。他方、Webの活用については、アイデアや工夫次第で、いくらでも改善できる可能性があります。 じゃあ、日本の電子政府がWebを上手に活用すれば良いじゃない。なんで今までしてこなかったの?と疑問に感じることでしょう。 そう。なぜ「日本の電子政府がWebを上手に活用できていない」のか。 この疑問を明らかにしていくことで、日本の電子政府が抱える課題と改善すべき点が見えてくるのですね。しかし、その課題こそ、一朝一夕で改善することができない、非常に根が深い問題なのです。
予算効率の高い簡素な政府の実現へ、ITによる業務改革の対象分野を選定 電子政府サービスを利用する側からの視点で見ると、何度も同じ事を書いたり聞かれたりするのは、納得できないところ。「最適化」を考える場合は、利用者のメリットに結びつくように考えないと、自己満足の「最適化」に終わってしまうので注意しましょう。 2004/2/23 「創業ナビ」を利用した電子申請実証実験開始 このサイトに限りませんが、最近気になるのが、「電子申請へのたらい回し」という現象です。役所への不満で挙げられることが多い「たらい回し」が、電子政府でも行われているのです。 イメージとしては次のような感じです。 会社設立の手続について知りたいと役所のサイトにアクセスします。掲載されている情報から、なんとか手続について理解しました。しかし、いざ実際に手続をしようすると・・・ 「あー、手続きはウチじゃなくて電子申請課がやってるから、そっちに行ってちょうだいな。」 と電子申請課(汎用受付システムなど)へ回されます。電子申請課へ行くと、 「はい、こちら電子申請課です。どういったご用件でしょうか。」 と応対されます。 「どういったご用件じゃなくて、会社設立手続きがしたいって言ったら、ここへ回されたんですよ。」 「はい、それではこちらからお探しください。」 と出されたのは、全く興味のない手続きの一覧リスト。 「いや、だから会社設立手続きがしたいんですよ。」 とイライラしてたら、さらに追い討ちが・・・ 「ところで、あなた電子証明書お持ちですか?」 「いいえ、持ってないですけど。」 「あー、すみませんね。電子証明書がないと手続きできないんですよ。」 「なにーっ!なめとんのかー!」 「ぺろーん」 ちょっとオーバーですけど、こんなコントみたいな展開が、役所サイトでは繰り広げられているのが現実なのですね。 <各手続きの担当課> <電子申請課> 教訓: 2004/2/23 都庁IT化の進ちょく状況(平成15年3月末現在実績) 電子政府・電子自治体において必須の仕組みなのが、「監視・評価」。そして、この「監視・評価」の基本となるのが、わかりやすく整理された情報公開です。その意味では、「都庁IT化の進ちょく状況」は高く評価されるべきものです。 進捗状況を見てみると、一生に一度するかしないかの行政手続を無理に電子化・オンライン化するよりは、施設利用や講習の申込みなど、市民にとって身近で、日常的によく利用されるサービスをオンライン化する方が、よほど便利を感じてもらえそうですね。 ちなみに、電子化・オンライン化する対象を選ぶポイントは、
2004/2/16 e-Japan戦略II加速化パッケージ
(PDF版) 利用者の視点を重視し、各府省の連携強化を推進するのは良いことですね。市民や民間企業との連携も忘れずに。 いちおう、気になるところだけコメントしておきましょう。 「IT規制改革の推進」では、 eー文書イニシアティブなど「電子化」「電子的手段」といった表現が多く見られます。「電子化」ばかりが先行してサービスの質が伴わない電子申請と同じ道を辿らないためにも、何を電子化するのか、なぜ電子化するのか、電子化したものをどのように活用して、そこからどんなメリットを得られるのか、電子化するにあたってのリスクは何か、などを整理しないまま「電子化」することだけは避けて欲しいですね。 「電子的手段による資格保有等証明の推進」でも、 電子的手段によって証明された資格を、誰が何のために確認・利用するのか考えないと、成果をあげることは難しいでしょう。また、それぞれの資格によって社会的な必要性や法律上の意味合いが違いますので、この点についても整理が必要です。 「評価」については、 さらに厳しい状況で、加速化パッケージとして挙げられている評価では、電子政府・電子自治体に対応することは難しく、実質的な電子政府・電子申請サービスの向上は期待できないでしょう。「情報公開」と「監視」の視点を持たせ、様々な視点から評価が行われる仕組みを確立したいものです。 最後に、「電子政府・電子自治体の推進」についてですが、 やはり市民や企業がどんなサービスを利用できるようになり、どのようなメリットが得られるようになるのかが見えてこず、どこまで「利用者の視点」が真剣に考えられるようになるのか不安に思います。各自治体の取組み(地方からのベストプラクティスの発信)に期待した方が良いかな。 2004/2/9 IT戦略本部(第23回)議事次第 横須賀市が「インテリジェント自治体2003年世界トップ7」に選出されたそうですね。おめでとうございます。日本の電子政府・電子自治体においても、省庁間、県と市区町村などの縄張り争いなどは止めて、こうした世界レベルでの視野を持って競争して欲しいですね。 e-Japan戦略2の計画前倒しや新政策(ICパスポートの導入、民間文書の電子保存など)を含むとされる「e-Japan戦略U加速化パッケージ」のウェブ公開を待ちましょう。 「情報システムに係る政府調達制度の見直しについて」のフォローアップ調査結果(平成14年度における実施状況) 今後の電子政府・電子申請においては、情報システムの構築・運用を含む「電子政府・電子申請サービス」の調達とするのが好ましいでしょう。 一定の基準を満たすサービス内容と結果(利用数等)を伴わなければ儲からない仕組み作りをオススメします。 2004/2/6 情報流出について 今回は、電子政府・電子申請における個人情報の取扱いについて触れておきましょう。 電子政府サービスを進めて行くと、単なる一方通行の情報提供から、双方向性のあるカスタマイズ化されたサービスへと移行していきます。そうなると、利用者の個人情報を収集する機会も増え、今回のような情報流出といった事件が、今以上に多くなることでしょう。 まず、一番初めに押さえておきたいことは、 個人情報の収集は、より良いサービスを提供するために行うものである という原則です。これを絶対に忘れてはいけません。この原則に従って、本当に必要な情報だけをもらえば良いのです。 2004/2/5のコラムで、電子申請では、「どんな情報が欲しいかを、わかりやすく伝える。」ことが大切と書きましたが、実は なぜ欲しいのかを伝える ことも大切なのです。利用者に対して、事前に情報の収集・利用目的を伝えることで、
ようになります。 さて、国土地理院のケースで良い点は、 情報流出の事実を公開し謝罪していること です。電子申請を利用するまでのプロセスで最も重要な「信頼する」では、「事実の公開」が基本となります。 これに対して、国税庁では確定申告書作成コーナーでの情報流出の問題(印刷したら、他人の確定申告書が出てきた:Mainichi INTERACTIVE)についてサイト上で公開しておらず、「システム障害が発生したため、現在サービスの提供を一時停止しております。」と書いてあるだけです。 確定申告書に記載される所得や収入といった情報は、個人情報の中でも特に注意して取り扱うべきもの(センシティブ情報)でしょう。こうした行為が、電子政府のブランド・信頼性・安全性を傷付け、利用者を遠ざけてしまうことになるのです。 国土地理院のケースで悪い点は、 必要とは思えない情報を収集していること です。「ユーザー層調査のために」という理由で、勤務先、氏名、電話番号、メールアドレス、利用目的の5項目を収集しているとのことですが、もし、ユーザー層を調べて今後のサービス改善に生かしたいのであれば、個人を特定できる「氏名」や「電話番号」などの情報は必要ありません。むしろ、利用場所(自宅、勤務先、学校など)、年齢層(30代など)、性別などを調べるべきでしょう。 電子政府・電子申請の信頼性・安全性は、決してお金で買えるものではなく、利用者との日々のやり取りから生まれるものであることを理解して欲しいと思います。 2004/2/5 岐阜県電子申請共同実証実験報告書(PDF) 電子申請をサービスとして提供する場合、紙の申請様式をそのまま電子化したようなものでは、様式ダウンロードサービスと変わらないものになってしまいます。 簡単に言えば、電子申請で「書式」は必要ありません。 書式・様式の狭いスペースと細かな字を見るだけで書く気がなえてしまう・・・と多くの人が感じているはず。もちろん、役所の手続に限らず、銀行や保険の契約など民間の手続でも同様です。 電子申請においては、「書類を作成して提出してください」ではなく、「手続に必要な情報を下さい」となります。「すみませんが、教えて下さい」という気持ちが大切なのです。そのためには、
最低でも、これぐらいは守りましょう。 2004/2/2 公的個人認証サービスポータルサイト 地上デジタル放送を活用した行政サービス提供に関する実証実験を開始 地上デジタル放送のデータ放送や双方向機能を活用した行政サービスについては、デジタルデバイドの緩和、利用しやすさ・使いやすさを向上するものとして期待されています。世界的には、英国が進んでいるかな。 Digital Television. A policy framework
for accessing e-government services’ 確かに、現在のようなパソコン&インターネット経由の電子政府サービスでは利用しそうにない人でも、テレビを見ながらリモコン操作でとなれば話は違いますね。 日本では、これから本格的な検討・実験が行われるようなので、今後に期待しましょう。 |
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